柏エシディシ

殺人者の記憶法の柏エシディシのレビュー・感想・評価

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)
2.0
記憶の「忘却」という仕掛けにより、主人公に同期する観客の心情をぐらつかせてくるノーラン「メメント」的な高機能スリラーかと思ったら、割とウェットでストレートなドラマ。と自分は解釈しました。
ラストカットのツイストでそこに疑問符を僅かにつける感じにしてますが、一連の展開からするとかえって蛇足でしょう、これは。

あくまで個人の好みの話ですが、ビョンスが悪人しか殺めない連続殺人者という観客の共感を呼び易いキャラクターにした事は残念。あと1人称でモノローグを多めにしたのも作品のギミックの効果に致命的な欠陥になってると思います。
観客を不安にさせる程の人物像で、あくまで彼の行動だけを追う演出ならば、映画全体のサスペンス性も高まった様に思うのです。
あと、これもあくまで好みの問題ですが、ソルギョングの顔演技もちょっと演技掛り過ぎで。

設定の面白さを活かして切れてない勿体無い映画という印象でしたが、シネマート新宿さんで配布されたチラシによると続編だか別編集版みたいなのもあるみたい。そちらも観てみて評価した方が良いかも。
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