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大頭脳のHKのレビュー・感想・評価

大頭脳(1968年製作の映画)
3.6
デビッド・ニーブン、ジャン=ポール・ベルモンド、ブールビル、イーライ・ウォラックの競演が嬉しいドタバタ犯罪コメディ。
原題は“The Brain”。タイトル・ロールの大物犯罪者“ブレイン”を演じるのがニーブン。
ブレインと同じく大金強奪計画を企む小物犯罪者2人組にベルモンドとブールビル。
そこにマフィアのボスのイーライ・ウォラックも絡んで警察も交えての大乱戦に。

冒頭、脳ミソが重すぎるため軽いショックで首が傾く天才大泥棒の登場からユルくてばかばかしいギャグの連続。
蟻の巣の断面のように地面を掘り進むベルモンドの脱獄シーンもまるでマンガ。

ニーブンは『007/カジノ・ロワイヤル』のちょい後、ベルモンドはやはり『007/カジノ・ロワイヤル』の後で『オー!』と同年、ブールビルは遺作となる『仁義』の前年、ウォラックは『荒野の三悪党』や『マッケンナの黄金』の頃の作品。

監督はルイ・ド・フュネス主演の『大追跡』『大進撃』とヒットが続いた後のジェラール・ウーリー。
本作でも軽ワザ担当のベルモンドとは後に『エースの中のエース』でも組んでいます。
今回の音楽はジョルジュ・ドルリュー

今回はCSのスター・チャンネルで字幕(114分)と吹替(99分)の両方を鑑賞。
吹替は1981年の『水曜ロードショー』(日本テレビ)版ということですが、オープニングとエンディング・クレジットもフルで入っており、画面サイズも当時のようなトリミングもなくワイドだったため、15分のカットも気にならずむしろテンポが良かったくらい。

今回ニーブンの声はお馴染み中村正でしたがベルモンドは山田康夫じゃなくて広川太一郎。
驚いたのは途中まで大塚周夫だと思っていたウォラックの声が実は納谷悟朗だったこと。
『続・夕陽のガンマン』では大塚がウォラック、納谷はリー・ヴァン・クリーフで全く別の声だったんですが、本作では納谷が大塚そっくりに違和感なくウォラックの声をアテており、さすがプロと唸らされました。
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