何気なくチョイスして見た映画だったが、とても感動した。今の自分の心境にとても深く染み込んでいくような映画だった。
詩織も莞爾も頑なな何かを持っている。
ワインに対するひた向きな好奇心。亡き母への愛情。それは決して悪いことではない。ただ詩織にとっては「日本酒」に対する無理解が、莞爾にとっては、蔵元である父との確執が、「日本酒」への憎しみに転化して、それぞれの閉塞感を生み出していたと言えるだろう。
その頑なな物を柔らかくほぐすことで、うまくことが回り始める。自分の進むべき道が、自分の取るべき選択肢が見えてくる。そして、日本酒へのネガティブな感情が、一気に反転して愛情へと変わっていく。その展開が、とても心地よい。
酒造りの町西条の魅力が、映像の美しさと少し乱暴な方言のニュアンスから伝わってくる。地域発信ムービーのいいところだ。
私もこの映画の感動の熱が冷めないうちに、自分の心の中の頑な何かを解きほぐしたいと思った。
うまく事が進みますように。取るべき選択肢が見えてきますように。
こう言ったヒントを与えてくれるのが映画のいいところだ。