mimitakoyaki

とらわれて 閉じ込められたダダーブの難民のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

3.6
国連UNHCR 難民映画祭2017にて。

世界最大の難民キャンプ、ケニアのダダーブ・キャンプには長期化する祖国の内戦によって帰郷できず、人生の大半を難民キャンプで過ごすソマリア難民が多く暮らす。
人々は第三国定住を夢見つつも、難民キャンプで生業に励み、若者たちは教育を受け、未来への希望を繋いで暮らしている。
ダダーブ・キャンプの歴史について説明しつつ、難民や支援者、研究者、あるいはアメリカに定住した人々の語りを通じ、ダダーブを取り巻く世界を立体的に見せる。
〜あらすじより〜

日本にいるとアフリカで起きていることってなかなか知る機会がなく、ソマリアは内戦によって無政府状態になったり、政情不安、貧困から海賊の問題が深刻化するといった話は少し知ってるというくらいでした。

そんなソマリアから隣国ケニアに逃れて難民となった人たちは余りにも多く、支援が行き届かないために劣悪な環境で生きることを強いられ、難民ゆえに働くこともキャンプから出ることもできず、そんな場所で25年間も暮らしてきた人もいて、いろいろ文句はあるものの、大きな不自由なく幸せに自由に生きてきた自分には、その苦しみや過酷さは想像し難いです。

難民キャンプから出て、別の国で新しい生活をするまでに超えないといけないハードルがいろいろあって難しく、でもこんな人道上の深刻な問題が世界からほとんど無視されてしまっている事もやりきれない気持ちになります。

その国に生まれただけで人生の楽しみや自由、権利を奪われて、囚われながら人間らしい生き方をする事もできずにいる人達がたくさんいる。

そんな人達の事を気に留めることもなく、視界にも入れることなく生きてきた私たち。
そして、世の中には巨額の富を得ている人だっているわけで、もっとたくさんの人に難民の事が知られるだけで、彼らの置かれた状況が少しでも良くなるだろうし、世界中がこの問題に向き合い協力し合えば、きっと解決できるかもしれないだけに、とても歯がゆいです。

戦争って本当に罪深い。
いろんな経緯があるにせよ、やっぱり犠牲が大きいし不幸になる。
キムとトランプとアベが不毛なチキンレースを繰り広げた挙句、偶発的な事で戦争にでもなれば、日本人だって他国に逃げるなんて事がこの先あるかもしれないな…とふと思い、「難民を受け入れない国 日本」どころか自分たちが難民になる可能性とか考えてしまうほどに戦争が近くなってきた事に不安を感じます。

難民の問題をどうしていくのか、自分なりにもこれからも考えて、できる事があればやりたいと思いました。

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