mimitakoyaki

僕と幽霊が家族になった件のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)
3.9
台湾の神ドラマ「時をかける愛」のロスを埋めるために、グレッグ・ハンの映画を探したところ、Netflixで配信されたばかりの本作があり、台湾の冥婚の風習や、法制化された同性婚を扱ったコメディの刑事モノでとても楽しめました。

まず、冥婚なんていう風習があることに驚きます。
未婚で亡くなった人の髪の毛や写真を赤い封筒に入れて道端に置き、それを拾った人と結婚させるというものです。
調べたら、さすがに今はほとんどないみたいですが、たまに冥婚のニュースもあるようです。

この作品では、ゲイ憎悪の刑事ミンハンがたまたま赤い封筒を拾ってしまい、ひき逃げされて亡くなったゲイの青年マオマオと冥婚させられます。
マオマオが幽霊となって、ミンハンとの奇妙な新婚?生活が始まり、ひき逃げ犯を捕まえるために2人でスッタモンダしながら協力していくうちに友情が生まれて…という話です。

全編にわたっておバカなギャグが満載で面白いし、幽霊のマオマオはゲイで同性婚を求めるデモに参加したり、反核運動をしたり、地球環境を守るための行動をしたりと、平和主義者なところが最高です!
イタズラ好きで茶目っ気があり、巻き毛とピンクの服が似合ってて、ほんとに可愛い!
こんな人身近にいたら絶対好きになる愛嬌があるんです。

結構スットコドッコイな失敗もやらかしながらも、ミンハンと一緒に捜査していくのも、バディ感があって楽しいです。

成り行き上イヤイヤ冥婚を受け入れたミンハンも、はじめはゲイへの偏見があったけど、マオマオと暮らすうちにそんなのはどっかへ吹き飛んで、「不気味なゲイ」から一人の人としてマオマオを見るようになり、ミンハンが変わっていくのが良かったです。

まだまだ同性愛者への偏見や差別もありますが、それでも結婚の権利が誰にでも認められてるのがほんとに素晴らしいし、さすがに冥婚はヤバいですが、同性婚ができるっていうことが土台にあって、こういう作品ができるのがとても素敵だと思いました。

「時をかける愛」で最高だったグレッグ・ハンは、本作では全然イメージが違ってて、こちらの方は刈り上げマッチョなスタイルだったので、わたし的には好みではなかったですが、マオマオ役のリン・ボーホンがめちゃくちゃ良かったです。
誰かに似てると思ったら、元キンプリの岸優太をもっと可愛くした感じでした。

軽く楽しくサクッと見れる作品です。
だけどちゃんと感動もメッセージ性もあって、良い作品でした。

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