ひろ

ジョン・ウィック:パラベラムのひろのレビュー・感想・評価

3.8
チャド・スタエルスキ監督によって製作された「ジョン・ウィック」シリーズ3作目となる2019年のアメリカ映画

「マトリックス」シリーズで一生分稼いだキアヌ・リーヴスが再び大ヒットシリーズで荒稼ぎ中。しかしあまりお金に興味がなさそうなキアヌだけに、単に楽しめるかどうかで作品を選んだ結果かもしれない。前作で伝説の殺し屋ジョン・ウィックは掟を破り追放処分になる。今作は命を狙われ続けるジョン・ウィックを描いた内容。なんせ町中が殺し屋なので息をつく暇もない

とにかくジョン・ウィックはタフなやつだ。ひたすら闘い続ける。伝説の殺し屋にしてはそこそこ苦戦する。それがなんだかクセになる。ブルース・リーが生み出したジークンドーを基本スタイルとするジョン・ウィック。ジークンドーとは格闘技だけでなく哲学である。基本的に武器は持たない。敵の武器はいいみたいな感じは作品に影響している。まあめちゃくちゃ武器は使うが、相手の武器を利用するが多いのはジークンドーの精神だろう。後はとどめを刺すことにこだわっている。どんな雑魚でもとどめを刺す。だから時間がかかる。ちょっと戦闘シーン長くないですか?と言いたくなる人がいても仕方ない。アクション映画でここまでとどめを刺す作品は記憶にない

ブルース・リーをあからさまにオマージュした演出もあるが、あからさまなので笑ってしまう。後は日本文化を表現しようとしている。これがブルース・リーとごっちゃになっている気もするが、例によってアジアはひとつの国なのだ。いろいろ混ざっている。忍者なんだかカンフーなんだかはっきりして欲しいものだが、ヤクザなのかもしれないと混乱しつつ、きゃりーぱみゅぱみゅすごいねと感動する。寿司屋のシーンはツッコミ炸裂してしまう

ここまでのシリーズでよかったのはホテル・コンチネンタルの特別感だ。今回はそこに出禁なので大変なのだが、相変わらずコンチネンタルという舞台は大活躍だ。キアヌ・リーヴスのカンフーもキレキレとは言いがたいが、なんだかんだで勝つのがジョン・ウィックであり、他のアクション映画の無敵みたいな動きとはひと味違うのだ。負けそうで負けない。そう。人は接戦に感動する生き物なのだ。接戦の魔術師ジョン・ウィックなのだ。キアヌ・リーヴスはアクション映画「スピード」で注目されて俳優だけど、未だにアクションでヒットしているんだから大したものだ。「ジョン・ウィック」シリーズ……まじすか!まだまだ…
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