けんたろう

ファウストのけんたろうのレビュー・感想・評価

ファウスト(1994年製作の映画)
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道化が唯一悪魔に勝つおはなし。


舞台と現実の超越と、リアル、クレイアニメ、人形アニメの融合とに依り、時間や場所の概念が彌〻狂ひ出す。
矢張りシユバンクマイエル。もう凄いとしか云ひやうが無い。不気味で豊かな其の表現は、最早や快感でさへある。ユウモラスな箇所も幾つか在り、たいへん楽しめた。

たゞ、物語りは訳が解らない。
成るほど、悪魔との契約が主人公を落とし入る。一度足を踏み入れたが運の尽き。淡々と進みゆく堕落の果て。凡ゆる物事が繋がる悍ましき展開。終盤はひどく面白い。
けれども、矢張り訳は解らない。

あゝ、ゲエテ。第一部だけでも読むべきかしらん……