ベルサイユ製麺

ALL YOU NEED is PUNK and LOVEのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

ALL YOU NEED is PUNK and LOVE(2017年製作の映画)
3.1
皆さまどうせお休みなのでしょうから、いつも以上に興味を持てなさそうなレビューをお送りします。

“楽器を持たないパンクバンド”こと、アイドルグループ(?)のBiSHのドキュメンタリーです。
個人的には“楽器を〜”っていうコピーがホント嫌いですし、アイドルじゃ無いって言うのなら一発で興味無くなります。紛い物がいいんじゃんね。
とは言え、自分もアユニDさんが加入したくらいから聴きだしたニワカで、BiSの事も“でんぱとたまに絡んでたグループ”くらいの認識です。(そもそもそんなにアイドルのことも詳しくないです。)
あ、前後しますが、そもそも数年前にBiSというグループが存在してまして、全裸PVとかスキャンダルな仕掛けなどで話題を呼んでいたのですが、目標である武道館公演の志半ばで惜しまれつつも解散。それから暫く経ちプロデューサーの渡辺淳之介さんが“もう一度BiSを始める”と新メンバーオーディションを経て結成されたグループが現BiSHで…合ってるか?
BiSHさんの特徴は、めちゃくちゃにキャラが立ったメンバー、格好良い群舞、メインボーカルの群を抜いた歌唱力など枚挙に暇が状態ですが、一番は圧倒的な曲のクオリティを挙げるべきだと思います。若者が使う“エモい”の感じが分からなければBiSHの曲を聴けば良いです。これは人気あるのも頷けるわ…。

なのですが…わたくしには、応援していたものが人気を獲得して一般化していくと、途端に興味が無くなるという悪癖が有りまして、今まさにBiSHさんがその状態なのですよ。見極め時!
そもそも個人的にアイドルちゃんを応援したくなるのは、夢を信じて圧倒的に不安定な境遇に身を置くドンキホーテ感についバックアップしたくなる・プチパトロンを気取りたくなるからなのですが、聞くところによるとWACK(所属事務所)は、売り上げをタレントと事務所の完全折半にしているそうで、現在メンバーは月収100万円単位で貰っているそうで…(完全に推測ですが、地下アイドルの平均は0〜5、6万、そこそこ名が知れているメジャーでも15万いくかいかないかだと思う)…バックアップとか言ってる場合じゃないよ!こっちが支えられたい!
…という事で、このドキュメンタリーを観て、今後の身の振り方、アルバム買うか買わないかなどを決めよう思った次第なのです。

作品の成り立ちがちょっと特殊で、…特殊過ぎて面倒なので説明を端折りますが、要は若手のディレクターにカメラを持たせてBiSHの知られざる姿を捉えるぞ!という事のようです。
撮影期間はBiS・BiSH・ギャンパレの対決、曲トレード辺りから幕張ワンマン辺りまでです。意外なくらいライブシーンとか入って無いですね。
ディレクターさんの私情なのか、もっと上の意向なのかアイナさんにずっと張り付いてる感じで、リンリン推しとしては寂しい…。
オーディションが一番のメインのようなのですが、茶番感が漂います。そもそも何をやっているのか伝わりづらい構成…。

…通して観ての感想は“プロデューサーの渡辺さんが窮屈そう”です。
アイドルを心身共追い詰めて、イレギュラーを着火剤にして大火事を起こすっていうのがBiSの魅力だったと認識しているのですが、今は何をやっても予定調和の感があります。(このドキュメンタリーも含めて)
なんでも、「今のファンはメンバーを追い込むと本気で怒り出す」のだそうです。うへぇ。
メンバーの魅力は充分伝わってきますが、BiSHならではのやり方で、BiSHならではの魅力を伝える事は出来てないです。普通。
あと、撮影者の資質の問題か、他人のイチャイチャを見せられているような気持ち悪さはずっと有りました。思い出づくりかよ!
個人的には企画のユニークさよりも、キャラクターの魅力よりも、ルックスよりも、結局は曲のズバ抜けた良さがこのグループ最大の魅力だと思っているので、ライブシーン無しのこの構成だとファン以外には届かない気がしましたよ。これ観るんなら普通にライブDVD観た方が全然良い!
んー。期せずして、鑑賞前と気持ちが全く変わらないという残念な結果になってしまいました…。もちっと様子見します。

因みに好きな曲は“Help‼︎”です。あんまり複雑な構成のプログレっぽい曲は苦手です☺︎