mingo

レット・ザ・サンシャイン・インのmingoのレビュー・感想・評価

3.8
ドニの現在進行形演出が詰まった習作。撮影は馴染みのアニエスゴダール。34回のシーケンスに分けられており、撮り方がミニマル。ジュリエットビノシュの座っている場所の違い。切り返しが色んな種類で撮られている。これやってはダメだていう撮り方もしてるし、アクション軸をまたぐタブーも取り入れてる。カメラの位置。最後のシーンはオーソドックスではあるがライティングが凝っている。2人は一度も同じ画面に入っていない。別撮りの可能性を感じる面白さ。

以下メモ
ロランバルトの本「恋愛のディスクール断章」を基にしている。1977年フランスではベストセラー。小説を映画化してるわけではない。ドニは以前にジャンリュックの侵入者を映画化してる。本作は制作段階の途中まで黒眼鏡ていうタイトル。A.B.C順にいくつも連なって行くスタイル。フィギュールのひとつに入っている、隠すというシーケンスの中に黒眼鏡。片想いの哲学が通底してある。もともとバルトの授業を本にしたもの。バルトの本は濃縮されている。薄い本だけど噛めば噛むほど味が滲み出てくる。
mingo

mingo