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恋するシェフの最強レシピのkoyaのレビュー・感想・評価

恋するシェフの最強レシピ(2017年製作の映画)
4.5
 スクリーンで金城君を観るのは、思えば『レッド・クリフ』以来では?おひさしぶりでございます。やっと公開になりました。

 東京国際映画祭で上映されたのは知っていましたが、単館でも日本公開になってうれしいです。
考えてみれば一番ファン歴が長いのは、金城武君で、初めて観たのは1990年代の事。

 素敵な青年は素敵なおじさんになる。いい年の取り方をしていますね。
今までが『ウォーロード』『捜査官X』と硬派路線でしたから、こういう気楽に楽しめる軽いラブコメディに出てくれてうれしいです。

 今や、金城君も40代。髪やひげに白髪がちらほらしても、スタイル良く、高級なスーツを着こなすスタイルの良さは健在でした。正義の味方やかっこいい役しかできない役者さんは年とってから困ると思うのですが、金城君は元々、嫌味な役っていうのもありましたからね。

 役としては、大金持の実業家、美食家で料理に非常にうるさい潔癖症、気難しい若社長、ルー(路)という高慢な役。
金城君は、社長の役は初めてだそうです。

上海の老舗ホテル、ローズバッドホテルの買収の為、ホテルに部屋をとりました。ルームサービスで食事をとりますが気に入らず・・・

 そんなルーを満足させた唯一の料理・・・それを作ったのが厨房の女性コック、まだ若いシェンナン(チョウ・ドンユイ・周冬雨)

 しかし、2人の出会いはホテルの駐車場。
ルーの車に、ガリガリといたずら書きをしている女の子がシェンナン。シェンナンは、友人に頼まれたのですが、車を間違えていたのです。
怒り心頭のルーに対して、開き直って態度が悪いシェンナン。と、2人の出会いは最悪。

 最初、いがみ合っていた男女が色々あって、めでたくハッピーという王道ですから、この映画、安心して観られるし、小物使いや設定が細かくて、笑ってしまう要素がたくさんあって、こういう娯楽映画いいなぁ、と思うのでした。

 私が一番好きなのは、料理、というと中国だともちろん中華料理。中華料理対決!みたいな映画はたくさんあるのですが、この映画は中国らしさ、上海らしさはなく、無国籍の創作料理に徹してしまった事ですね。
もともとがフランス租界のホテルだった、ということで、フレンチ風ではあります。

 だから、いかにも中国映画というものはなく、だんだん若い世代の映画になってきたんだなぁ、と感慨深いものがありました。
私は、シェンナンが飼っている犬の名前を呼ぶところが好き。

金城君が出す注文が「卵」だけで、18種類の卵料理を作り上げる所などテンポもとてもいい。だらだらしないで、とんとん、と話はすすむのです。映画って色々なものがあると思うのですが、こういう一服の清涼剤みたいな映画は貴重。
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