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落下の解剖学のkoyaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.2
フランスの雪山の山荘で男が落下して墜落死した。
自殺なのか、他殺なのか。

妻はドイツ人で小説家。
一人息子は視覚障害を持つ少年。
人里離れた山荘での真実は、法廷に持ち込まれます。

本当に夫婦って大変なんだなぁ、と。
特に、妻の方が小説家として成功している場合、夫はどうしても卑屈にならざるを得ないというのは、実際、たくさんあるのだろうけれど、それが夫婦喧嘩の元となり、息子の視力を奪った事故の原因のなすりあいになり・・・・・・

しかも、妻はドイツ人でフランスにいながら普段英語を話す。
あまりフランス語は得意ではない。
これ、結構、フランス語の人にはイラ、とすることなんじゃないかと思います。

男の方が背が高くて、収入が多くて、名声も高い方が男は満足・・・・・・なんて昔の日本みたい。
今の日本にもあるけれど万国共通なんだなぁと。

裁判のシーン、法廷のシーンが多いですが、検察側のしつこさが際立っていて、あれではもう疲労困憊してしまうのがよくわかり、夫婦も大変だが、裁判も大変であります。

最初に夫がいやがらせなのか、妻を取材しに学生が来ると音楽を大音量で流しますが、あの音楽が神経逆なでする音楽で、びっくりしましたね。

静かな映画だけれども、顔には出さない憎悪や嫉妬、執念などがうずまく結構激しい映画です。
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