Aya

天命の城のAyaのレビュー・感想・評価

天命の城(2017年製作の映画)
3.5
史劇は明るくないのですが、ファン・ドンヒョク×キム・ジヨン×イ・サンミンという間違いない布陣ですからね!

初動こそ良かったものの、スター俳優が4人も出てて、この規模のビックバジェットで結局400万届かず・・・しかしこの映画の損益分岐点が500万というのも恐ろしいw

この本国結果からも分かる通り、この映画、はっきり言って韓国人が好きな話か?と私も思ってしまいましたね。

清という大国から山の上の小さな砦を王と家臣、そして兵で守る話じゃないですか?
しかもあのラスト・・・。

イ・ビョンホンは伝達係であり、なんとか妥協点を探る穏健派。
対してユンソクソンベニムはけして屈してはならぬ、強硬派。
そして全然、気付いてなかったんですけど、やけにイケメンな鍛冶屋、コ・ス。
そして高知戦に続いてコ・スの弟子で戦場で一緒に戦う新兵、イ・デビット。

イ・デビットはやはり「ポエトリー」のありえないクソガキのお仕置きをいまだにされているという・・・w
もう「高知戦」の喧嘩ドッキリで許してやれよ・・・。

これは、なんというか、わりと静かな論議のシーン(起こってる事は結構込み入ってる)ともうアドレナリン大放出の戦闘シーン。
そしてそれぞれの登場人物にスポットライトを当てたシーン。

全て入ってるのでこの長さかよ長えよ。

映画終わりに恒例の他の方の感想に耳を傾けていたのですが、マダム2人が寝そうになったわ、と言ったはったので、見る人によってはそうかもしれない。

私は全編かなり集中できました。

もう絶対にこの映画の白眉は最初に大負けする山道での戦闘、ですよね。あれは手持ちカメラですよね?
一発撮りのように見える長回しショットがほぼ主観で描かれるんですよ!
しかもぐるっと一周回ってそれでも続く!

すっげえ!!!
その後のフルコンタクト&当たらない銃撃シーンと馬ちゃん使いの凄さ、そして戦闘脚本としての見せ方の巧みさ。

さすが、キム・ジヨン!!
イ・サンミン!!

その後も何度となく繰り広げられる、雪山でのフルコンタクト、銃撃戦、奇襲。
そして山から放たれる砲弾。それを受けながら逃げ惑い、戦う兵士たち。
攻め入るシーン、攻め込まれるシーン、そして広々とした荒野でのおらーやったるぞー!!というもう「ホロウ・クラウン」を彷彿とさせる戦闘シーンも全て最高です!!!
もう笑顔爆発しちゃったよ〜。

しかし、どんどん民が犠牲になってゆく。

ユンソクソンベニムもイ・ビョンホンもコ・ス氏に至るまで、みんなこの国を守りたい、と思っているのは一緒なんですよ。
ただ、清側の要求がどんどん大きくなってきて、折り合いつけるタイミング、正直逃したなと思いました・・・。

王様の周りの官臣共々ごちゃごちゃやってる間、自国の兵や民が寒さと飢えに震えても、国に尽くそうとしている(一部は生きようとしている)のに、それを軽んじていたのも事実であり、王様のプライド、そして本物の思いが分かりにくい為、余計ことをややこしくしてると思った・・・。

あのパク・ヘイルが城を出るあの穴蔵の向こうが、「殺人の追憶」のトンネルを思い出したり・・・。

イ・ビョンホンは向こうの兵の凄さを見てるから勝てるわけねえ・・・と覆ってなんとか妥協させようとするんだけど、なんか非国民!みたいに言われるし、ユンソク先輩は逆に自国の精鋭兵を過信しすぎて強気一辺倒な対応しかできなくて、強がり〜って感じ。

そして戦争が終わり、それぞれの行く末が胸をわし深みにされる。
ファン・ドンヒョクはどこまで人の心というものを汲み取れるんだろう?!?!


日本語字幕:根本 理恵
Aya

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