ベルサイユ製麺

ニューヨーク ザ・ギャング・シティのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.2
どうだい見てくれすげえだろ!と、DGの“電気ビリビリ”の一節が思わず飛び出したのですけど、filmarksのジャケ写はアメリカ版ですね…。いかんよ!日本版の超適当なパッケージアートにアホみたいなタイトルがのっかってる奇跡的なジャケを見て欲しい!!中原昌也の仕事かと思ったよ!AYA PROやっぱ凄えや…。
最近とにかく“観たい”と思ってる映画ばっかり観てて良くないな…と思っていたところなので、戒めの気持ちで敢えて“現状全く観たいと思えていない”作品を選んでみたのです!


1992年、マフィアどもが跋扈しまくるニューヨークを舞台にした実話物。
主人公はトミーとその彼女ロージー。バッキバキのホワイトトラッシュ。トミーは場当たり的に強盗に入り、あっさりお縄。一年半のお務めから帰るとロージーと共に債権回収の仕事に就きます。同僚は全員前科者!前科、踊ろうよ!レッツ・キス♪頬寄せて〜♪
トミーが仕事をサボって大物マフィアの裁判の傍聴しに行った帰りに立ち寄ったマフィア達の“社交クラブ”。…なんか、すげぇ楽勝っぽいじゃん。
UZIを調達してきたトミーはほぼ顔丸出しでそのクラブに強盗に入り金目の物を回収、そのままロージーの運転する車で逃走します。…やべぇ、楽勝。
味をしめて同じように“社交クラブ叩き”を繰り返すと、流石にマフィアもメンツを潰されて黙っておれず、犯人探しが始まります。
そのうち調子に乗ったトミー&ロージーは、新聞の取材に応えて大々的に記事になったりするものだから…。


DQNがマジでDQN!DQN!とマシンガンをぶっ放し、「悪党から盗んで何が悪いの?」と居直る訳だが、おまえらマジで明日は無いぞ⁈というお話です!
一見、軽快なクライムアクションみたいなプロットですが、これがもう全然洒落てない!それどころか寧ろ鈍臭くさえ思えるのは、どこか呑気に見えるマフィア達の日常と、トミー&ロージーのあんまりなDQNぶり…つまり登場人物がみんなアホなせい。それともう一点。この映画、すごくルックが古臭い!’92年の出来事を描いているにも関わらず、80年代中盤の作品みたいな雰囲気が全編に漂ってます。フラワーロックを置いてルービックキューブ片手に観るべきか?アンバサ飲む?
…で、まあこれだけの話だと「好きにしんさい」ってな感じなのですが、トミーとロージーがある物を手に入れてしまってから、事態が急速にヤバくなっていって…って感じです。…まあ、とは言えやっぱり緩さは否めないのですけど、しかし急に!クリスマスの夜の、幻想的なラストシーン!!正直ここだけの為に観ても良いと思えるくらいの美しさでしたよ!(まあ、一度目は寝落ちして、巻き戻して見たのですけどね…)

主演のマイケル・ピット、当時まだ32〜3歳かと思うのですが、“もう終わってる”感が凄い!勿論役作りですよ!ね?ね?
パートナー役のニナ・アリアンダ、なんちゅう80年代顔なんだよ!普段ガム噛みながらローラースケートで移動してそうです!

正直もう少し面白く撮れそうな題材のような気もするのですが、なんせ“全く観たいと思えない”想定で借りてますから、そこからの差分で言えば“割と面白かった”とは言えると思います。
…例えば、凄く楽しみにしてた憧れの人とのデートは、シミュレーションのし過ぎで想像を超えなくて、逆に全く想定外に想定外な相手と結果デートみたいになった時は変に楽しかった…なんて事無いですか?あなたはどちらとお付き合いする事になりそうですか??

…まあ、でもなぁ。ツタヤでジャケット見た時が面白さのピークだったんだよなぁ。
皆様も是非、ジャケットを手にとってみて下さい。借りろとまでは申しません!!