どーもキューブ

ファントム・スレッドのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ポールトーマスアンダーソンのラブファントム被服科編



音楽ジョニーグリーンウッド。
製作、脚本監督ポールトーマスアンダーソン。



アメリカ映画の中で只今抜群の作家性と人間ドラマに焦点をあて監督する私の好きな映画監督、

ポールトーマスアンダーソン。

まずはおさらい、未見は「パンチドランククラブ」

出会いは「映画秘宝」の触れ込みや角本。なんと奇妙でなんと大きく汚い世界、ポルノ業界を舞台にのさばる金と悪「ブギーナイツ」

多層な人物のマグノリアの花の雨。敬愛するロバートアルトマンに捧げているような危機的状況毎分毎秒親と子と男女「マグノリア」

 ひとりの男の悩める船、それは偏った偏愛の主人に仕えたひとりの男のお話し「ザマスター」

70年代風探偵は深き浅い緩やかな事件に漂う。アルトマンの「ロンググッドハイ」のPTAリメイク「インヒアレントヴァイス」

私の中のPTA最高傑作。男は髭と油と血にまみれながら、マスコットのような子と変な取り巻きに囲まれながら油をちょろまかす私のミレニアムベスト作「ゼアウィルビーブラッド」

なんで?PTA作品好きなんだろう、それはかっこ悪いアメリカ映画なんだからだといえる。

えてしてそれは、だめなアメリカをしっかり見据えた視点。格好いいなんてまやかしだ。悪いってオラッチと言う監督。

ポールトーマスアンダーソンの信念なんかもしれないし、そこに映画感をガチガチにはめ込む作家性。アメリカンニューシネマのニオイが常にする、だから好き。
 タランティーノのようにわかり良い娯楽仇討ち物じゃないけど、PTAも恐ろしい映画愛好者。その透けた人間ドラマがとっても大好きで得てして男根臭、男の子のだらしなパートオイニーぷんぷんなとこが好きなんかもなあとおさらいを書いていて思う。

ノーマーク作品。評論家町山さん褒めツイート目にしたのみ。ダニエルデイルイス引退!との文字くらい。ほぼ情報遮断。本作午後の回、大好きな映画監督はイケればの話。初日見に行ってきました。



なーるほど、またまた重たくなるかつ疲れる映画やったなあ。

ファントムスレッドなんていうからなんやSFのひびきかいや?と思ったら、
がちがちの

パワーハラスメントラブ仕掛けで殺して殺され物語でしたねえ。

まあガチガチな英国のにおい、雰囲気、身なり。

それを覆う不協和音とクラシックからジャズが折り重なるサウンドトラック。グリーンウッドの音楽は、なんだか拡張性高めでお硬い。サラサラな旋律は肩張る感じ。

そう本作の不協和音ことラブファントムフィーメルことアルマの物語だ。
この女優さん!良かったなあ。見たときリンクレイターの「ビフォワ」シリーズ、ジュリーデルピーに顔似てると思った。
目がつぶらだけど芯ありみたいな。

前半はダニエルデイルイスに引っ張りあげられ、いつの間にかストレス感じるアルマを見つめながら、こちらも何やねんダニエルデイ!きむつかしいなあみたいな。なんや隣の姉さんの密着ぶりに超引きつつ。

ダニエルデイルイスなんかふけこみましたねえ。舌打ち具合、ピリピリッと来て、バッチし俺は邪魔だウザイ感の雰囲気、演技必見だす!

こんな演技出来るの役所さんくらいだよなあ日本。

後半から立場が逆転し、デイルイスが思いっきりマウントとられてアルマに思いっきりビンタとキスの嵐を魅せられるという二風変わった大恋愛どんでんスクランブル卵返し(笑)

あのパーティーのシーンを見逃すな!
あのパーティーの無味乾燥のたいそう豪華なダシや人形の○ソ無駄感!必見!

あんだけ金かけて撮りあげてんのに見ている俺のまあなんかもどかしさない空虚なパーティー空間!久々に冷たい開放感を感じた。

あの窮屈な服ばかりで締め上げられた我々観客を解きはなつ冷水

それはアルマの策略欲求なんか馬鹿かあいつ!!!なんか知らないが、、、

ラストチラッと出る
ふたりの終わりきったパーティー場のダンスに涙が滲む

最初からあそこにむけて
はりあって
ぬいあげて
ばちばちして
もたれかかったのよう

そう男は負けるべきなんかも 
女性に対してね。
摩耗して
使われ
ののしりされてね
タイミング良く
ラブの相対性理論

私の手の中にきたわねダニエルデイのルイスはん物語に見えた。

見終わったあとのこの
ハッピーエンドに見えて
なんだか服みてるのに
なんだかSMショー見終えたような衆愚観の後味は、なかなかだなあ。
PTAのある意味直球なラブストーリーでしたね。

鑑賞後町山解説やらレビュー見る。
監督のインスピレーションは、ラストのジョナサンデミの初期作品「メルビンとハワード」(日本じゃみれないからわからない。)やらヒッチコック「レベッカ」だそうです。トリュホーの「アデルの恋の物語」も見ていたとも言ってた。
また監督自身のインフルエンザ体験からの夫婦関係にもあるとのこと。
女性が男性社会で生き抜く的物語の具現化だそうです。他キューブリックやらマックスオフュルスやらだそうです。

あと本作まあ解説聞いて一種の「幽霊もの」らしいけど、確かにねそんなシーンあるけど、あくまでひとえの祈りに近い幻影に表現されていた。まるで眠られない時の愛しい人思い出す的なたとえのようだ。母譲り仕事優先なダニエルなんだよねえ。

みんなある影響
みんなある親と子問題
だよね。なんでポールトーマスアンダーソンって何気に親子ドラマ作家なとこあるよねえっとも思ったりもする。

ダニエルデイルイスファンの方は是非!
けどまたやるかもねダニエルデイルイス。ていうか勿体ないでしょうに。なんか役に入りすぎて家庭家族サービスするために引退だとか!!ほんとう?って思ったけど。

PTAは、町山解説曰くファザコンの作家的なニュアンスで言ってましたが、私が見るには男がとにかく悩む映画ばっかり撮る監督なんで好きなんかもなあ。



さて
ポールトーマスアンダーソンのラブファントム
または
服はつらいよ!

ぜひどうぞ!

2018年洋画ベストテンには絶対ランクインしますね!本作。

相変わらずのPTAで肩こるわでした!

本日Yahoo!ブログ投稿、微加筆版

追伸
ヒッチの「レベッカ」見直したいなあ。
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