アタフ

レイニーデイ・イン・ニューヨークのアタフのレビュー・感想・評価

4.0
この『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』、言ってしまえばいつものウディ・アレン映画だ。毎度おなじみと言ってもよい。理屈っぽい男主人公が、グチグチと恋愛に対してぼやき、自分の好きな映画やら作家やらのうんちくを語る。主人公がウディ・アレン自身の投影であり、それは『アニー・ホール』の頃から変わっていない。ただ当時はウディ・アレン自身が主人公を演じることが多かったのに対し、今作では自身の投影対象が今アメリカで一番もてる男(俺調べ)のティモシー・シャラメという、ちょっとズルいことをしている。
今までの自身が主役を演じていた映画では、あの冴えない中年男がウジウジ愚痴るのがよかったのに!!!
まあ、主演がティモシー・シャラメ&エル・ファニングというのは、目の保養になるのでそれはそれでいいのだが。

「あなたのキスは10点中4点だったと聞いたわ」みたいなセリフがあったけど、昔私も会社の飲み会で女性の先輩に「〇〇君(私)の男性的魅力は10点中4点」と言われたことを思い出しましたよ、その時は上手い返しも出来なかったですが、もっとこの映画みたいにシニカルに返せたらよかったなぁ…と、シニカルな返しみたいなところはウディ・アレン映画は本当に勉強になる。

結局のところ、なんとなく合わない相手ではなく趣味とかフィーリングが合う女性にしますたっていう、以前も同じようなことやっていたような気がするが…特にラストの感じとか『ミッドナイトインパリ』の焼き直しかな??と思ったくらいだ。恋模様が描かれる作品ではあるが、個人的にはそれが主軸というよりは、ウディ・アレン的なオシャレなうんちく堪能する映画かなと。
あとティモシー・シャラメとエル・ファニングを目に焼き付ける、それで十分元が取れるいい映画でした。映画館で見ておけばよかったな。
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