ぬーたん

ブレッドウィナー/生きのびるためにのぬーたんのレビュー・感想・評価

3.9
タイトルに惹かれて観た。『生きのびるために』そのジャケは悲し気な少女の顔。『パヴァーナ11歳。髪を切り”少年”になった少女の、勇気の物語』と書かれてあって、2001年タリバン政権下のアフガニスタンが舞台の話だった。これはもう衝撃的な作品で、是非たくさんの人に観て欲しい映画だ。国も状況も全く違うが、先日読んだ漫画『命がけの証言』に通じるものがあった。命の方はウイグル人が中国に虐待されている話を描いているが、今の時代でも世界のどこかで虐げられて辛い思いをしている民族や市井の人々がたくさん居ることを改めて知る事となった。ましてや11歳の少女が原題でもある『The Breadwinner ブレッドウィナー』一家の稼ぎ手という意味らしいが、そうなるしか仕方なく、またいつ逮捕され刑務所に入れられ殺されるか分からないという、恐ろしい日々を送るなんて、胸が締め付けられる。
エグゼクティブプロデューサーにアンジェリーナ・ジョリーの名前も。制作国はカナダなど3か国で、言語は英語。アフガニスタンなのに英語というのも違和感ある。タリバン政権だってアメリカは最初は支持していた、自国の利益しか考えないアメリカだもん。
絵は決して上手いという画風ではないが、私でも描けるんじゃないかーい?とも思える単純な顔の描き方だけど(描けるわけないか)決意とか悲しみとかが良く現れているし、目が特徴的だ。そして幼い弟に聞かせるお話の方の画風は、切り絵のような感じで全く別の絵になっているのが上手い。色彩はパッと明るい原色使いで、現実のアフガニスタンの淡色の街とは対照的な色使いで描かれている。現実と夢、とでもいうような対比が一層物語の悲しさを際立たせている。
不思議なことに泣けることはなかった。お涙頂戴的なシーンも少なかったせいかとも思ったが、何だか現実とは思えず、かといって物語に入り込むという感じにもなれず、どこか、遠くから眺めているようなそんな気がした。そういう意味では、衝撃的ではあるが、心に響くにはいまひとつ何かが足りなかったのか。しかし、オススメ作品ではあるよ。
※おやつは頂き物の、アラン・デュカスの高級チョコレート!大事に食べようと今日は2つだけ。でも、あまり違いが分からん!石屋製菓や六花亭のチョコの方が好みだったりして。庶民だね。紅茶を2杯。
※夕飯は昨日の残ったお刺身サーモンを新玉ねぎとカルパッチョに。あとは回鍋肉と茶碗蒸し(市販)白菜と塩昆布とツナの和え物。和洋中折衷献立!組み合わせは何でもよい!美味しければ!
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