FumiyaIwashina

恋は雨上がりのようにのFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
4.4
オープニングの疾走感から一気に心を奪われてしまう文句なしの傑作。全てが雨上がりのようにきらきらしてる。レストランに差し込む光だったり、由比ヶ浜、住宅街や都会の景色など、とにかく印象的なシーンが多い。
キャストもそれぞれ本当に良い味出していて、特に主役の小松菜奈は「ぼく明日」と今作で完全に大ファンになった。本当に目力があるし、良い演技してる。今作では高校生らしいまっすぐさとちょっと反抗的な雰囲気が見事に表現されている。ずるいけど、普段笑わない人の笑顔ってすごく嬉しいし、おじさんも、あれほどまっすぐにアプローチされたら、さすがにたじたじになっちゃう。幼なじみ役の清野菜名も優しく寄り添う感じが本当に素敵で、夏祭りのシーンは目頭が熱くなった。大泉洋はいつものコミカルな演技は抑えてて、周りから冴えないと言われるけど、大人の気遣いとか芯の強さも垣間見えたから、女子高生に好かれるのもあまり違和感なかった。ライバルの後輩役の山本舞香も中々の存在感。小松菜奈とともに男が喜びそうなシーンが多かった。唯一、松本穂香が無駄遣いされてるのだけは残念。これだけ、見所があればしょうがない気もするけど。
また、映像も素晴らしいけど、やっぱりそれもストーリーあってこそ。本当に悪い人がいなくて、キラキラと輝く若者とそれを優しく見守る大人たちの物語は本当に素敵だった。
「若さっていうのは、時に乱暴で凶暴なものなんだ。それでも、その時に感じた感情というのは、いずれ、かけがえのない財産になる。」店長があきらのおかげで思い出すことができたように、この映画を観る人にもかけがえのない財産を思い出させてくれる作品。