サンタ

プーと大人になった僕のサンタのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
4.3
「プーと大人になった僕」
原題「Christopher Robin」

“何もしないは最高の何かに繋がるんだ。”

大切にするのは今か。未来か。
この普遍的な問いに答えを見出してくれたのが、くまのプーさん。
今を軽んじて、未来ばかり気にするクリストファー・ロビンに対して、今日を大切にするプーさんの対比が印象的でした。
僕も将来のことを考えて、今は好きなことをする時間を割いてまで、勉強をするときもあるので、ロビンの気持ちにすごい共感しました。
今か、未来かなんてどちらが大事かはわからないけれども、今作を見てからは“今”という時間もかけがえのないものだと大切にしようと思いました😉
ロビンのいないコテージ🏡にて。
ロビンの奥さんのイヴリンが娘さんのマデリーンに“外で思いっきり遊んできなさい”と言うのですが、こんな返答が。
『何をすればよいかわからない』と。
ふつうの会話の場面なのですが、いちばん印象的に残った言葉でした。
子どもにあんなことを言わせたらだめなのよ🙅‍♂️
何をする。何をしない。
大人たちが色々なものを与えすぎて、子どもは何をしない、何もしないでも良いということを忘れているのかなとさえも感じる場面でした。
別に思いっきり遊んでもいいし、ぐっすりと昼寝してもいいし、何もしないでぼーっとしてもいいし、子どもの遊びに決まったことはないんですよ。
勉強✍️だってそうです。
近年は勉強をする年齢がどんどん下がっている気がします。
いちばん感じるのは”英語“です。
10年前くらいは英語は小学5〜6年生から学ぶものでしたが、今は小学3〜4年生からで、5〜6年生からは必須科目として『外国語』という名前がつきました🏫
前に僕の好きな『King & Princeる。』という番組のなかで、幼稚園で株・投資💵を習わせる場所もありました😲
その子たちは楽しそうに学んでいたし、英語だってはやくに学んでおいて、それで話せるように、書けるようになったら良いと思います。
しかし、小さいころから勉強することが果たして子どもにも、大人にも、将来的にも大切なのか。
僕はそうではないと思います。
勉強は子どもが本当にしたいことなのか。
大人が子どもの将来を勝手に想像して、自分自身のエゴを押しつけているのか。
このエゴに関してはある場面でしっかりと描かれていました。
マデリーンが読みたい本📚があるのに、お父さんのロビンが良かれと思い、違う本📖を読みはじめるところ。
ヴィクトリア王朝、産業革命やらいずれ高校の授業で習うのだから、今なら『シンデレラ』とか『アラジン』とか間接的に歴史を楽しく学ばせたらいいのに。
大人が自分で考えた有益な本を取り出し、子どもの意思を無視してしまう。
色々なもの、何もかも与えすぎる大人。
何かをしなければならない環境にいる子ども。だからこそ、大人からの課題がなくなったときに子どもは何をすればよいかわからなくなってしまいます。
今の子どもたちが外遊びするのが減ったこと。
想像力・読解力の低下から自分の考えを問う問題が増えていったこと。
これらは大人の望んだ『幸せ』に閉じ込められた子どもたちの新たな“課題”なのかなと感じました。
何もしない。
これをできるのはほんの一瞬です。
子どもたちはその時間を大切に過ごしてほしいし、自由に謳歌してほしい。
だって、大人になるにつれて、行動に制限がどうしてもかかるし、好きな時間も段々と無限から有限へと変わってしまう。
とはいえ、大人もその何もしないという時間を捨て去ってしまう必要はありません。
プーさんとクリストファー・ロビンは子どもも大人も忘れてしまった大切なことはものは何かを探して、それに向き合う勇気も与えてくれるし、きっとこのふたりの旅が終わったときは、感動と優しさに包んでくれるような作品でした😆
家族の温かさに包まれたい方や、ちょっとお疲れ気味の方、『gifted/ギフテッド』が好きな方はおすすめ‼️

〜あらすじ〜
成長してロンドンで多忙な生活を送るクリストファー・ロビンは、妻子と故郷で過ごすはずだった週末まで仕事でつぶれてしまう。そんなとき、少年時代の親友プーが彼の前に現れ、一緒に森の仲間たちを捜してほしいとロビンに頼むが...。

2023-14🍯

最後の最後に、ユアン・マクレガーさんの大きく、ニカっと笑う笑顔がかわいくて、よかったですね
こんな感じ→😁
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