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ある少年の告白のskm818のレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.8
同性愛の矯正のため矯正施設に入れられた少年の苦悩と父親との関係修復の話。同性愛は病気だとか矯正すべき何かであるという考えもおぞましいが、この矯正施設ってのがもうね。外部には一切プログラムの内容言うなって時点でアウトなんだよな。これカルトのやり口だから。へんなセミナーとかさ。実際この施設の責任者のサイクスという男にはなんの資格もない。医師でもなければカウンセラーでもない。神がどうとか言ってるが牧師や神父でもない。そんなところに主人公は入れられて、疑問を感じながらもプログラムをこなしているが、やっぱ自分に嘘はつけない。それなのに自分の責任ではない、大学で同級生からレイプされた件まで自分の罪として告白しろと迫られ、しかも父親がその件を罪として施設長に話していることを知ってしまう。最後のほうは、まず母親が、最後には父親が自分たちの過ちに気付いて主人公と関係を修復していくエピソードになっている。単純に同性愛者が自己肯定していく話じゃないのね。てかこれ70年代とかの話じゃなくて2000年代の話らしいから恐ろしい。一般的には同性愛は病気ではないと分かっており、実際主人公が診察を受けるように言われた医者も、あなたのお父さんは間違っているとはっきり言う。でも主人公の父は牧師、医者は信者だから間違いを言えないんだと思う。これ保守的な価値観を改められない宗教者の問題を描いた話でもあるんだなあ。信仰の名の下に人権侵害が堂々とまかり通っているという。
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