もけ

暁に祈れのもけのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
3.4
実話を基にした刑務所映画。
異国の地で言葉もわからず収監されたコミニュケーションが取れない恐怖と、そこから徐々にその「世界」を理解しムエタイでサバイブしていく主人公を描く。

言葉が通じない・理解できないのに体感だけは容赦なく襲ってくる感覚を字幕なしで貫くのが良かった。
時折ヒント的に字幕が入るのも良い塩梅。
主人公と一緒に観客も第一印象と違う面を徐々に理解していく感が味わえる。

ドキュメントタッチの撮影なのであからさまに作為的な画はほぼなく、ムエタイシーンでアガるという事はなかったんだけど、中盤の試合を1カットで見せきるというのは凄かった。
『クリード チャンプを継ぐ男』でも同じ事をやっていたと思うけど、あれとはまた違う迫真性があった。
クライマックスの試合も正直わかりにくいし前振りがあったとはいえ唐突に終わるんだけど、主人公の必死さの表現としては良かった。

終盤の病院で目覚めて以降の展開。
リスクを冒すよりもやはり「理解した世界」の方が安心できる(居場所がある)という事かな。


(ツイッターに書いた感想をコピペ)
もけ

もけ