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名探偵コナン ゼロの執行人のshinoのレビュー・感想・評価

3.8
相棒ファンにとって安心と信頼の櫻井武晴脚本。貧困にメスを入れたボーダーラインをはじめとした名作回の多い脚本家が、名探偵コナンで公安について書くと。
そんなん面白いに決まってるやん!!!そう思いつつ観に行けてなかったのですが、降谷の女に背中を押されて観に行きました。
降谷……かっこよすぎやろ………!!
終盤の降谷の動きはもうこれ人間ちゃうやろと思いつつ、いやこりゃファンが増えるわけだと納得。

話はもう完全に劇場版相棒を見てる感覚でした。刑事ドラマを書き続けている櫻井武晴さんだからこそ書けたような話。終始櫻井武晴節にこちらもニッコリ。
しかしちゃんと名探偵コナンとしてのエンタメも書けていて、笑いありハラハラありで楽しかったです。が、小さい子や刑事ドラマに馴染みのない層はちょっと難しい内容かなと思いました。わたしも刑事ドラマ好きなんですけどいかんせんIQが3しか無いので色んな人の感想を見つつ整理しました。公安とかよく刑事ドラマではヒール側で書かれるけど、この話はヒールの面も見せつつ正義のために動く姿を上手く見せたと思う。コナンくんの正義、公安である降谷の正義、そして…と、違う視点での様々な正義が交差しあっていて良かった。
いわゆるずっと観てきたコナンの映画とは一風変わったというか、現実的なサスペンス要素が組み込まれまくっためちゃめちゃ攻めた話になってました。コナンにこれを求めるか否か降谷のファンかで評価が分かれそうだけど、わたしは現実的要素とフィクション要素が上手く融合してこれはコナンでしか書けない話だと思います。同じことを同じミステリアニメである金田一少年では出来ないし、実写ドラマの相棒でもできない。これは名探偵コナンというフィクションの強いミステリアニメだからこそできたのではないかなあ。
話としてはなかなか難しいけど、なかなか考察しがいがあってとても楽しいかった!櫻井武晴はいいぞ〜!!!
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