ウサミ

千と千尋の神隠しのウサミのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
5.0
小学生くらいの時に初めてみて、それ以来、何度観ても、いくつの時に観ても、新鮮な面白さがある映画!

何より魅力なのはこの世界観。
現実の常識がまぁー何ひとつ通用しない。
雨が降ったら海ができるに決まってんだろ、とか言われても…

でも、それが凄くいい!置いてけぼりにされる感じ。こういうのって、少しでも雑な部分があると嫌なんだけども、徹底的に意味不明なのが良い。
おかしなこと、ありえないことだらけなのに、それが凄くワクワクするし、そして、右も左もわからない千尋の心情を、観ている側と共有できるポイントなんですよね。

神様の食べ物に手を出して醜い姿に変えられる大人たちや、汚いゴミの中から現れる高潔な神様など、子供の頃は何ともおもわず受け入れていた設定たちも、大人になって見返すとなんと感慨深い…

キャラクターの細やかな仕草、表情。何気なく登場する小道具たちや、美しい舞台。
言葉で説明するだけでなく、画を使って、多くのことを想い浮かばせるのがすごい。
あくまで異世界の物語なんだけれども、観た人にとってなぜか懐かしく、ノスタルジックな気持ちにしてくれる。

幼い頃に観た世界って、実はすごく不思議に満ちていて、成長していって少しずつ色々わかってくるから、当たり前の景色も当たり前の景色でしかないんだけれど、この映画のファンタジーとリアリティの絶妙なバランスを前に、小さな頃みた情景がフラッシュバックするような感じがした。
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