コマミー

スパイダーマン:スパイダーバースのコマミーのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【継承は、次元を越えて】

(作品をご覧になってない方は、自己責任でご覧ください。一部、"ネタバレ"している要素があります。配慮しているつもりですが、念のため、ご報告させていただきます。)


※昨日、僕は"最高"のスパイダーマン映画に出会ってしまいました。あらゆる事が新感覚でできているこの作品は、まさに[その世界に飛び込む]アニメーション作品でした。そんな超越したスパイダーマン映画をご紹介します。↓



アメコミが好きな人でも、そんなに好きじゃない人でも、「スパイダーマンを知ってる!」という人は多い。どこか[身近にいる]ようなヒーロー像が、庶民には受けるのだろう。自分もマーベルのヒーローの中では、"スパイダーマン"が大好きだ。というか、一番馴染めた。

そんなスパイダーマンが"一人"ではなかったら…。

スパイダーマンのコミックのシリーズの中に、[スパイダーバース]という物がある。マイルズという黒人の少年が、スパイダーマンの[力]をふと手に入れ、[様々な次元]から来たスパイダーマンと共に、自身もスパイダーマンの[遺志]を受け継いで、成長していくという物語だ。

ここで重要なのは、スパイダーマンこと[ピーター・パーカー]が、壮絶な[戦死]を遂げることだ。その現場を目撃してしまったマイルズが責任を感じ、ピーターを殺した[キングピン]の暴走を止めるために奔走するのだ。

設定が本当に、素晴らしい。実はハリウッドではこうゆう"継承もの"の作品が増えつつある。スパイダーマンのあらゆる偉業を、マイルズが仲間を通して立派に成長していく姿が本当に感動してしまった。
そこには、違う次元からやって来た"ダメな"方のピーター・パーカーの存在が大きいだろう。あの惨劇を、どう[リセットさせるか]?それをマイルズがどう受け継ぐか?このピーター・B・パーカーの存在こそが、マイルズの心を大きく変えた人物といっても、過言ではない。

そして、[コミックと調和]したようなアニメーションのグラフィック。おまけに効果音や、縁取りまで取り入れるこの手法は、一部はロバート・ロドリゲスの「シン・シティ」でも使われていたが、[全編]を通して、この手法が使われるのは初めてである。
そして、キャラクターの描き方の多様性。普段使われている手法の他に、"ペニー・パーカーちゃん"のような[昔のアニメ調]のようなキャラクターや、"スパイダー・ハム"のような[カートゥーン]のようなグラフィックのキャラクターを加えている。本来の二人はこんなグラフィックはしていないらしいが、そこは配慮して、あえて[可愛く]作ったのだろう。


いかがでしたか?長文すみません💦
いろいろな興奮要素がつまった、新感覚なスパイダーマン映画となりましたが、[アニメーションにしか描けなかった]ヒーロー像だったのかもしれません。
ですが、こんなに"愛が詰まった"スパイダーマンは観たことありますか?あえてアニメーションで描く理由、世界観を多様化させた理由を引っくるめて、この作品が伝えたかったこと……

     それは………、


スパイダーマンがどんな世界から来たとしても、マスクを着けても着けなくても、困ってる人に何かしら手を差しのべてあげれば、

その人も、スパイダーマンのような[素晴らしい存在]になれるのだと……

敬愛なる、スタン・リーの言葉を借りて言えるのではないだろうか…。
コマミー

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