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15時17分、パリ行きのtakumiのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.0
テロとその制圧シーンはラストの10分間くらい、あとは主人公3人組の少年時代からパリ行き列車に乗るまでを描いています。

テロリストを取り押さえた3人組と彼らに加勢した乗客、立ち向かって撃たれた乗客とその奥さんは本人が演じています。撮影も本物の列車を貸し切って行ったそう。

『アメリカン・スナイパー』や『ハドソン川の奇跡』のヒーローは、その時その場で活躍するために鍛えられたエリートであって、なるべくしてなったヒーローなんでしょう。それに対して今作は、言わばボンクラっぽい3人が(軍人としての2人も全然エリートじゃなくてむしろ落ちこぼれ気味)、自分の出来ることを頑張っていたお陰で成し遂げた、偶然の積み重ねの必然によってヒーローになるお話なのが印象的です。その為には、観ていて長く感じてしまった少年時代のシーンや、ヨーロッパ旅行ではしゃいで二日酔いになるシーンも、なくてはならないんですよね。

ダラダラと駄文を垂れ流しましたが、「誰でもヒーローになれる!」というメッセージが伝わってきて感動しました!(小田急線内で産気づいた女性の近くに、看護の心得のある方がたまたま乗っていたというニュースを思い出したり…)

もちろん、ラストのテロリスト制圧シーンは、あっけなくリアルに描かれていてもハラハラするし見応えがあります。そしてブラジリアン柔術最強説(笑)

クリント・イーストウッドが見せつける全く新しい究極の「現実」、一見の価値アリです。

最後に、パンフレットはコラムや対談など、タメになる内容が盛りだくさんでとても良かったですよ。
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