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1987、ある闘いの真実のakihiko810のレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
3.8
gyaoで視聴。韓国映画。

1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。徹底的に北分子を排除したい南営洞警察のパク所長(キム・ユンソク)が指揮する取り調べは、日に日に激化していた。そんな中、ソウル大学の学生が行き過ぎた取り調べ中に死亡する。隠ぺいのために警察は親にも遺体を見せず火葬を申請するが、何かおかしいと感じたチェ検事(ハ・ジョンウ)は検死解剖を命じる。解剖により学生は拷問致死であったことが判明するが、政府は取り調べをした刑事二人を逮捕することで事件を終わらせようと画策する。これに気付いた新聞記者、刑務所看守らは、事実を白日のもとにさらそうと奔走するが、警察による妨害もエスカレートしていく。また、拷問で仲間を失った大学生たち(カン・ドンウォン)も立ち上がろうとしていたー。一人の大学生の死から始まった、韓国全土を巻き込む民主化闘争を描く衝撃の実話。

骨太社会派サスペンス。一応エンタメなのだろうが、名作「タクシー運転手」と比べると、コメディ色はまったくなく、サスペンスの作りになっている。起こっている事件が骨太なので飽きさせないが、ユーモアがない点は若干不満には思った。

しかし驚くのは、これが87年とたかだか35年前の出来事で、ソウル五輪の前年だということ。そして今現在、香港でこれと同じようなことが起こっているということ。民主主義は「あって当然」ではなく、こういった闘いの歴史の上で獲得した大切な権利なのだと思った。
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