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1987、ある闘いの真実のCisaraghiのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
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政治的な話なので若干眠くなったりするかな、と懸念していたが、全く余計な心配だった。眠くなるどころではなかった。韓国映画をナメてはいけない。どんな題材だろうと面白くして飽きさせない、それが韓国映画文法の鉄則なのではなかろうか。

1987年1月14日の朴鐘哲拷問殺害事件から6月民主抗争に至るまでを描いた実話に基づく映画。これをきっかけに韓国は民主化し、言論の自由の保障、大統領直接選挙制、大統領任期の短縮や再選禁止、国会の解散権の廃止などを盛り込んだ新憲法が作られ、現在まで維持されている、というのは韓国の人たちにとっては誰でも知っていて当たり前の史実なのだろう。1987年まで言論の自由がなかったなんて!
 韓国の民主主義が、危険を冒して闘った人々が勝ち取ったものだということがよくわかる。犠牲なく手に出来ればそれに越したことはなかったけれど、犠牲を払って手に入れたものは大事にしようとするのも道理だと思う。
 そして、韓国らしく、あるものが果たす社会正義としての役割の大きさよ。

カンドンウォンが登場した時は、こんなシリアスで政治的な映画にも関わらず、おおっ!と歓声を上げそうになった。どんな役でもいいから是非出たいと望んで得た役らしい。

ちなみに、現在日本で公開されている「SUNNY 強い気持ち強い愛」の元である「サニー永遠の仲間たち」の時代は、この少し前くらいではないか。女子高生がデモに混じって暴れてたなーと思い出した。日本に比べると、国民と政治が極めて近いのは、歴史の結果なのか、国民性なのか。卵と鶏的な関係?

おなじみ、ソウルの坂の上の下町が登場する。
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