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黙秘のHKのレビュー・感想・評価

黙秘(1995年製作の映画)
3.8
こういう作品を観ると、自分が90年代以降20年以上も映画と疎遠で、この間の多くの名作・力作を見逃していることをあらためて痛感します。
S・キング原作のミステリー『ドロレス・クレイボーン』が、こういう邦題で映画化されているとは全く知りませんでした。

キング原作の映画化は80年代から一気に増え始めましたが、当時成功したと言える作品はほんの一部。
でも今や50本以上の作品が映画化されており、その中には名作もしくは映画としてそれなりに楽しめる作品もそこそこあるようです。
本作も地味ながら良くできた1本で、実力派のスタッフ・キャストによりなかなかの見応え。

主演はキング作品では『ミザリー』に次いでまたも名演を見せてくれるキャシー・ベイツ(当時47歳)と、まだ美人の頃のジェニファー・ジェイソン・リー(当時33歳)。
今回は一見紳士風ですが実は執念深く嫌らしい警部役のクリストファー・プラマー。
デヴィッド・ストラザーンやまだ若いジョン・C・ライリーも。

キングの小説の舞台が架空の地名で地続きになっているのは有名ですが、本作の中でもショーシャンク刑務所の名が出てきます(映画『ショーシャンクの空に』は本作の前年に公開)。

キングの作品群にあってはモンスターや超常現象の出ないサスペンス重視の人間ドラマである本作は、知名度の高い『ショーシャンク~』と『グリーンマイル』の間に公開されたせいもあってか、あまり知られてないようですが見過ごすにはもったいない力作でした。

監督は『愛と青春の旅立ち』や『Ray/レイ』のテイラー・ハックフォード。
ダニー・エルフマンの音楽がサスペンスを煽ります。
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