田舎町で物足りなさや閉塞感を抱えながら高校生活を送っている女子高生がゾンビと出会ったら?
クラスメイトや先生、保護者たち…小さな田舎町を巻き込んで生き残りをかけたサバイバルがはじまる。
10代の学園青春映画やミュージカル映画、ゾンビ映画は数多くあれど、その3つが融合した作品は少ないように思う。
本作はライアン・ゴズリングにシリアルを食べさせようとする合成動画で話題になった故ライアン・マクヘンリー監督の短編をもとに長編映画化されたもの。
衣装やセットなど色彩豊かで
主人公アナを演じるエラ・ハントをはじめキャストたちのビジュアルや演技もオシャレ。
自宅を出て学校に向かうアナが長い手足をのびやかに使って熱唱する場面、構内で友人たちとテーブルなどをステージにして歌い踊る場面など、歌と振り付けもカッコよくて爽快です。
シリアスとコミカル、
時にシュールすぎる進行でも
それが絶妙なバランスで成り立っていて
何度も観たくなる世界観。
えっ?
この人が?
そうくるか?!
という展開も何度かあり、
最後の最後まで結末がどうなるのかが気になるところも良かった。
もう子どもじゃないけど
まだ大人でもない。
家庭、家族、進路、自力、恋、友情…。
10代の多感で繊細な彼らが
それぞれが抱えているものには、
あの頃の私たち誰もに少なからず通過してきたものもある。
だからこそ時にほろ苦かったりせつなかったりなつかしかったりの追体験に近いものが生まれていたりして(…といえば大袈裟かもしれないが)、いつのまにか観入ってしまっていた。
でもそんなに重く考えずとも
基本的には何も考えず気楽に楽しめる作品でもあります。
歌詞と振り付けを覚えて
真似してみたくなる。
あんなに踊って歌えたら
気持ちいいし楽しいだろうなぁ。