へたれ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のへたれのレビュー・感想・評価

3.3
良かったとこ1 集団戦を意識した振り付けのようなアクション
vol.2のオープニングと同様に、メンバー全員が協力して戦うときの振り付けがよくできている。今回は終盤に出てくる通路のワンカット風アクションに顕著で、スローモーションと決めポーズも交えて歌舞伎の殺陣のような様式美があった。

良かったとこ2 クリス・プラットとゾーイ・サルダナが活き活きしてる
vol.2までの関係を一旦リセットできたおかげで、この2人の俳優としての魅力が出やすくなった。
クリス・プラットは、ガーディアンズという「家族」の父親的なポジションから未練がましい男にキャラクターが変わったことで、俳優本人が持っている庶民的な野暮ったさが久しぶりに戻ってきた感じ。ゾーイ・サルダナが演じるガモーラは、vol.2ではツンデレのデレ専用みたいなキャラクターが窮屈そうだったけど、設定がリセットされたことで心の振幅を楽しそうに演じているのが良かった。

ダメだったとこ 詰め込みすぎてシリーズの魅力を自滅させている
ジェームズ・ガンが関わる最後ということで主要キャラクター全員に最低一つは見せ場を作ろうとしたためか、詰め込みすぎになってしまい、このシリーズ最大の魅力だった負け犬たちのグダグダな会話がかなり減った。
今作の実質的な主役のロケットとピーター・クイルとガモーラは、キャラクターを描く余地がまだあったけど、残りのキャラクターたちは、危機を脱出するための便利な道具的な立ち位置に終始。その結果、本作はシリーズ3作品中でも一番チームらしさが失われている。
それぞれのキャラクターにファンはいると思うので、そういう人たちへの接待にはなっているものの、彼らが疑似家族になっていった時のケミストリーはもうなくなっている。劇中のプロットでも混同が見られるとおり、疑似的な「家族」と「友達」の違いすら描く余裕がなくなっていたのはかなり残念。
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