けんたろう

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のけんたろうのレビュー・感想・評価

5.0
【令和五年五月八日の記】
馬鹿野郎め……
此んなん、此んなん泣いちまふに決まってんだらう。ぐううう……嗚呼俺れあ……俺れあ!

と、兎に角だな。ぐううう。もう抑へ切れなくてだな。ぐううう。言葉なんぞ何んにも纏まらねえ状況ではあるが、ひとまづ此処に発露せずにはゐられなくてだな。ぐううう。なあおい。なあおい。なあおいよ!
兎に角、兎に角だな。ぐううう。何かしら書けるやう成つたらな。ぐううう。ひつそり追記しておくとしてだな。ぐううう。ひとまづ、ひとまづ今は。今はなあ! なあ! なあおい! おい! なあおいよ! 皆んな、皆んな大好きだ! 俺れあ。俺れあ皆んなが大好きだあああ!!! ぐがああああああああああああ!!!



【令和五年九月廿九日の追記】
愛、愛、愛。愛の物語りだ馬鹿野郎!


フワフワとしたユウモア。バチバチに極まったアクション。カラフルで異形なビジュアル。そしてノリが良いどころぢゃない、腹の底から魂を引っ張り出してくるやうな熱く悲しき音楽。此れぞ、可笑しさと切なさと格好良さとが融合せし、俺れたちのガーディアンズだ!
ノーウェアを拠点にしてゐるのも亦た好い。此れは、シリイズを追うてきた俺れたちだけでなく、其の銀河に住まふ人々に取ってもガーディアンズ(守護者)であることを暗に示してをる。要するに、彼れらこそ皆んなのガーディアンズといふことだ!

然うして、キャラクターよ! もう大円団。大量の人物が登場してきやがる。
けれども一人ひとりを蔑ろには決してせない。確りと焦点を当て、各人の良さ面白さを十二分に描いてをる。
其のうへで家族──其れは決して薄っぺれぇ繋がりなんかぢゃない。其々が別個の存在でありながら、正に一つの生き物のやうに在りてをる、何よりも強靭で何よりも尊き縁で結ばれた、奇跡の集合体である──として集合せしむるのだから、驚愕である。
一番の親友とか何んとか、最早や物語りが眩ゆい。光輝さへ放ってゐやがる。美しいにも程が有る。

然うして、振り向いてガキ共を救けにゆくガーディアンズの雄姿よ。何んでかって? 其れあ、奴らがガーディアンズ・オブ・ギャラクシーだからだ!
さ、最高だ。最高に格好良い。全身の毛穴が掻っ開く。思はず声が出てしまふ。毛髪も身体も重力に逆らうて、拠なく席から空中に飛んで行っちまふ。
君は、揃ひ踏まふ彼のショットを視たか。バチバチにキマってゐやがる彼のショットを!

然うして、グルートの言葉──といふよりもグルートの心が聞こゆる彼のシイン!
我々も愈〻ガーディアンズと同様に彼れと会話できるやう成ったのである。そして其れは、彼れらの物語りを観てきた我々も亦たガーディアンズの一員と成ったといふことである。

然うして、ラスト流れる「Come and Get Your Love」に、此方も涙を流す。

猥雑とした此の社会。色々な者が住んでをる。馬鹿も間抜けもゴミ野郎も。兎角色々な者が住んでをる。成るほど完璧な社会からは程遠いのかも知れない。でも其れでいゝぢゃあないか。
其れあ誰れにだって理想の社会といふものは有らう。然し其れを急進的に推し進めたら、当然其の先の社会では生きらぬ奴だって居よう。汚ない社会でしか生きられぬ奴だって一杯居よう。
成るほど、余まりにも複雑な問題を抱へた、何うしやうも無え最低の社会なのかも知れない。優れた何者かゞ上に立ち、創造と破壊とを其の手で自在に行はぬ限り、”完成” は不可能なのかも知れない。理想の社会を実現する為めには、誰れかゞ神を気取って社会を再構築しなければいけないのかも知れない。ユウトピアは──うるせぇ馬鹿野郎! 踠いて踠いて踠けばよい。ゆっくりゆっくり、悩み苦しみ葛藤して進んでゆけばよい。

落伍者たちが魅せてくれた、最高の人間賛歌。在りのまゝの肯定。馬鹿でも間抜けでも何んだっていゝんだよ。高等も下等も関係ねえ。大好きだ。最高だ。何時までも愛してる。何処までも愛してる。
俺れたちのガーディアンズ、此処に終幕。銀河の涯てまで、皆んなのことは忘れない。


①五月八日 シネマシティ bスタ 極上爆音上映
②六月十三日 シネマシティ kスタ