カリカリ亭ガリガリ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のカリカリ亭ガリガリのレビュー・感想・評価

4.5
爆泣き……
もうMCUどうでもいい、マルチバースつらい、そろそろ離脱するしか……と興味も薄まり、ガーディアンズvol.2もラストの擬似家族エモ演出が流石にやり過ぎで、そういうことじゃない、もういいや……とドロップアウト寸前で、結局配信でやっと観たけど、これは、いやーこれは、素晴らしい映画じゃないですか……マジで映画館で観れば良かった……最高の完結編、最高の卒業映画……ってか最高の3部作だったんだね……

思えば最初からずっとこの3部作は、笑えないくらいに悲惨な生い立ちのキャラクターたちを愛をもって受け入れ続けて、彼らへのセカンドチャンスをもたらし続けた、あまりにも美しい「肯定」の物語で、それはジェームズ・ガンという作家の作家性そのものでしかなく、それが特大エンターテインメントとして結実していたのが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』3部作だった。
さらに言えば大傑作『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党集結』を経て、ガンはその作家性とナラティブをより一層研磨している節があるので、いやー完結まで長かったけれど、このタイミングでこの映画が作られて本当に良かった。

ぼくは犬を飼ってるけれど、犬が好きとか動物が好きとか以前に、動物が酷い目に遭うことを直視するのが耐えられないし、それは人間の心があれば皆そうだと信じている。
だからこの映画は辛かった……でも、こういったアメコミ娯楽映画で、動物実験とか保健所とか虐待とか宇宙犬とかのモチーフを描くことにこそ意味があるし、そこにショックがあることに最も意義がある。
ジェームズ・ガンは怒っている。そして、彼らへのやさしさを決して忘れないでいてほしいのだ。

ロケットに泣く(クリープ聴いてるアバンからして、それまでのシリーズに無い悲壮感とマジで終わるんだ感がすごい)のはもちろんのこと、個人的には、かつて殺人マシーンでしかなかったネビュラが人間性に目覚めていく過程にも泣く……

マンティスが檻の中で見つけた『バスケット・ケース』のベリアルみたいな生命体が、一瞬しか出てこなかったけど超キュートで、彼みたいなのがワンサカ出てくるトロマ映画魂に期待しつつ、普通に愛くるしいライラたちにもウルウルしたので、ベリアルみたいな彼もロケットたちと絡んでほしかったなと思いました。
あと、カウンターアースの動物ちゃんたち、が、可哀想すぎるだろ!!もっと心配したり、NOooooooo!と号泣しろ!!

と、映画で表象される動物ちゃんたち描写には一言も二言もあるのですが、マジ今年一番泣いた映画なのは間違いないです。

ありがとう、ジェームズ・ガン!ありがとう、ガーディアンズ!

これで俺はもうMCUから卒業できる!(エッ?)