もるがな

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のもるがなのレビュー・感想・評価

3.8
シリーズ最終回ではあるのだが、ロケットの過去話はどちらかといえばシリーズ途中、先に続く前提としてのエピソードで見たかったという印象のほうが強く、個の掘り下げやエピソードに寄ってる反面、話のスケール感が最終回に相応しいほどに大きかったかと言われると疑問が残る。しかしながらエピソードそのものの出来は素晴らしく、悲しい過去が……とネタにするのも憚れるほどに悲惨かつエグめな話だったのはとても良かった。

話の膨らみに不満を覚えた理由の一つとして、ムードメーカーを兼ねているというのもあってロケット不在時は普段の明るさはなりを潜めており、やや暗い空気が漂っていたというのも大きかったのかもしれない。あとこれが最大の問題なのだが、過去の二つの作品と比べてやらかした事象の重さに反して悪役のスケールやインパクトが小さく小物感があった点だろう。そのせいかシリーズの持ち味であるアドベンチャー感はあまり感じなかった。

しかしながらシリーズを追ってきた人間には感涙必至のシーンは多く、特に全シリーズの中で今作が一番音楽の使い方が上手かったように思う。単に名曲というだけでなく、そこにシリーズを見てきた人の思い入れが重なったときの相乗効果は素晴らしいもので、シリーズを通じて追いかけてきた価値があった。
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