Melko

キンキーブーツのMelkoのレビュー・感想・評価

キンキーブーツ(2005年製作の映画)
4.3
「ブーツは歩くため それだけじゃダメ?
いつかブーツで踏みつけたげるね」
偏見なんか明るく踏みつけろ!キラキラゴージャスど根性工場再生物語meetsドラァグクイーン

ずーーーーっと見たかった!!!!
やっと見れた!!!!近くのGEOにはないしちょっと遠いTSUTAYAでは借りられてるし!もう課金してアマプラで!!最高!

主人公チャーリーは、うだつの上がらない靴会社社長ジュニア。父の急死で社長に繰り上がるんだけど、この人がまあうだつが上がらなすぎて終始情けない感じ。閃きと行動力はあるんだけど、気合が入ると追い込まれてヒステリー気味になったり、人に辛く当たってしまったり、私情を仕事に持ち込んで落ち込んだり、人間としては未熟そのもの。まるで感情をコントロールできない思春期。
彼と組むローラは、漢気があり且つ女性的な細やかな気遣いもできるけど、内心自分に自信がなく、着飾らないと堂々とできない。
そんなしょぼん気味の2人がタッグを組み、売却寸前の靴工場を救うべく、一発逆転の勝負に出る!もうこのストーリーだけで熱い。
加えて、なんといっても、ローラ。基本的には明るくサバサバした性格なんだけど、時折見せる物憂げな表情に、心の闇を感じる。「お前は男なのか女なのか、どっちなんだハッキリしろ!」とチャーリーに言われ、つたう涙が切ない。ローラに限らずこういったトランスジェンダーの方々の、人の何倍も、心ない言葉に傷つけられてきた苦労が見えて、心が痛い。
他の人の恋路をアシストしたり、相手を立てたり、ホントに周りを見ていて、よく気がつく。姐さん!と慕いたい安心感。
キウェテル氏が好演してた。歌も味わい深くて良いし、なにより、黒人である彼がローラを演じることに意義があったと思う。どうしても大きな体、筋肉、からの女性らしい仕草のギャップ。
そんなローラが仲間を引き連れて歩くラストのランウェイは爽快!!「Go! girls❤️! いいわ素敵よ!」って旗振りたくなった。お姉さまたちは、やはり自分たちの見せ方を知っている。みんな美しい。それは、傷ついて傷ついて、悩みながらもやっとたどり着いた内側からの輝き。半端者には出せないのよこの輝きは。

頼りない坊ちゃん社長に反発しながらも、「やってやろうじゃねえか!」って団結するワーカーたちのクラフトマンシップも胸熱。モノづくりの人間のど根性はイギリスでも同じ!

と、こんなにいい話なのに…チャーリー役の人が、情けない顔立ちも相まって、草なぎ剛にしか見えなくて、、笑
ミラノで友情を確かめ合うチャーリー、ローラ、ローレンが、草なぎ剛と和田アキコと芳本美代子に見えてちょっとおかしかった。。笑

あと、ほんの少し欲を言うなら、ラストのライブシーンは、もうこれみよがしにでもブーツ履いて歩き回って欲しかったな、と…せっかくあれだけ苦労して作ったのに、ブーツの登場シーンが思ったより短くて…

歌は控えめだったから、尚更これのミュージカル版見たくなったなあ。去年の三浦くんの再公演、見とけばよかったなあ…
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