ベルサイユ製麺

フライト・リミットのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

フライト・リミット(2018年製作の映画)
2.7
夜、雲海の中を進む小型機。
鬼気迫る表情で操縦するショーン(ダニエル・ラドクリフ)。誰かと電話で遣り取りをしているようだ。その内容から断片的に読み取れるのは、メキシコから発った事。 何かヤバそうな物を積んでいる事。ショーンの奥さんが大病を患っている事…など。あ、電話はwi-fiで繋がってるそうです。便利ねー。ポケGOもやってたかもしれない。

話を差し支えなさそうなとこまで整理しますと…
ショーンは奥さんの治療費を稼ぐ為に、かつて空軍で培った運転技術を活かした高収入の仕事をバニラで見つけた。バニラは嘘。
その仕事は、メキシコからやばいブツをアメリカに持ち込むという危険極まりないもので、余計な心配をかけないように奥さんには別の仕事だと伝えている。
運転中、常時電話は繋がりっぱなし状態で、話し相手は
①お家にいる奥さん
②荷物を預けた依頼主のギャング
③職場に問題は無いかと掛けてきてくれたバニラの派遣担当の牛山さん、優しい…は嘘で、もう一人の依頼主(?)って感じです。
基本的に薄暗いコクピットの中でラドクリフが電話応対したり、あくせく運転したりに、合間合間で回想シーンが入る構成です。勿体ぶるまでも無く、トム・ハーディの『オン・ザ・ハイウェイ』の飛行機版ですね。そう言えばどちらも80分台なのまで似てる(というか、間が持たないのか)。でも…あれ真似したくなるほど面白かったかに⁇🦀
いや、寧ろこっちの方が更に面白くない。コクピットからの眺めも雲ばっかりで変わり映えし無いし、ラドクリフの魅力も引き出せているとは言い難いし。
…多分なんですが、この映画一度も実際に飛ばずに撮影してると思うんですよね。運転シーンは全部セットだと思う。セットにドライアイス焚いて、飛行機のコクピットだけ作って、横にドローンの模型並べて…みたいな感じ。そんなことも有ってか一向に緊張感が高まって来ない。挙句、終盤は飛行機縛りも放棄…。むう。
特に面白い展開も無かったのですが、唯一最後の方で夫婦の嫌すぎる共同作業のシーンが良かったです。あちゃ〜、です。
最近、ダニエル・ラドクリフがツイて無い役者としてグングン伸びてきてる印象ですね。ブルース・ウィリスもうかうかしてらんねぇな。
でもワンシチュエーション物自体にはまだまだ可能性が有ると思います。
…例えば、ダニエル・ラドクリフが故あってバニラトラックの運転を続けないといけない!電話で重要な遣り取りをするが肝心なところが「♪バーニラ求人!」に掻き消されてしまい聴き取れない!
あ〜ヤキモキするぅ🚚♪