現時点で自分が観た2018年公開作品は今作を含めると37作品。
その37作品の中でベスト級に好きです。⭕️
基本的にベストを1作品には決められないので、まぁ、ベスト8には絶対入るくらい好きです。🥇
ただ、今作をワーストにあげる人がいても不思議じゃありません。😅
平たく言うと、性犯罪や暴力行為の描写が多いです。特に女性には絶対勧める気にはなりません。🙇🏻♂️
今作のレビューはかなり長文になります。毎回、自分の備忘録のために細かく書いてますけど、今作はレビューの書き甲斐&感想の喋り甲斐がある作品です。
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【今作を観た動機】
まず、吉田恵輔監督作品は唯一観た『ヒメアノ〜ル』が大好きで、それから彼の次回作を観たいと期待していたんですが、前作の『犬猿』は“仲の悪い兄弟の話“ってことで観ていません。🐶🐵
現時点でfilmarksの平均点が3.8ですから、おそらくいいんでしょうね…。😅
でも自分にも姉がいますが、はっきり言って、仲がいいんです。♨️
だからその時点で主人公たちに感情移入出来ないと思ってスルーしていました。
そこへ行くと今作は、
最近、仕事で在日フィリピン人の方々と接することが多い自分にとっては、この話の設定の時点ですでに親近感を持てる作品でした。
アイリーンが日本語と英語とタガログ語を勉強していますが、そういう在日フィリピン人労働者の方って実際に沢山いると思います。🇵🇭
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【ストーリーについて】
原作未読です。
だから原作との比較はできません。
「原作者の新井英樹さんは、フェリーニの『道』に影響を受けて今作を書いた」と事前に聞いていましたが、実際に観てよく分かりました。
とはいえ、漫画原作の映画らしく、
「すごく漫画的な話&演出だな」って思うことが多々あって、
安田顕さん演じる主人公:岩男をはじめ、キャラクターの多くがすごく漫画的でフィクショナルなんですが、どこか人間味が感じられるんです。
でも同時に、実際にある社会問題も間違いなく含まれている作品でした。
仲介役の田中要司さんが、主人公に親身になって相談してくれていますから一見いい人にも見えますが、やっている事はれっきとした違法な人身売買です。
なんなら、劇中の伊勢谷友介さん演じるヤクザの方が正論を言ってるようにも見えてきます。🤔
日本政府もこれから先、外国人労働者をどんどん増やす方向に進むみたいですが、絶対に何か問題は出てきそうな気がします。🇯🇵
その他
・田舎の社会の閉塞感
・少子化、過疎化
・母親の愛が行き過ぎるとどうなるか❓
等、社会に対するいろんな問題提起が含まれてます。
「理想と違うけど、そういう風に生きるしかなかった」
って感じることって、今作のキャラクターのみならず、現実社会で共感出来る人は沢山いると思います。
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【役者さんに関して】
主要キャストはみんなすごいです。
安田顕さん、木野花さん、そしてアイリーンを演じたナッツ・シトイさん。
公開された邦画を全作品観ているわけじゃありませんから何とも言えませんが、今年の日本アカデミー賞に誰もノミネートすらされなかったのが不思議なくらいです。
特にナッツ・シトイさんは外国人だから日本アカデミー賞は選考対象外なんでしょうか?よくわかりませんが…。🤔
安田顕さんは元々、器用な俳優さんですから、案の定、いい演技をしています。
そもそもTEAM NACSの全員が、愛嬌があってコメディ的なんですが、それと同時にどこか油断出来ない役も似合うと思います。
そして木野花さんはあんな役ができることにビックリしました。
R-1のCMのほのぼのした雰囲気の役者さんっていう印象しかなかったので、もし本人がいたなら「すみません。完全に舐めきっていました。🙇🏻♂️」と謝罪したいです。
伊勢谷友介さんも相変わらずかっこいいのと、英語の流暢さが役に合ってました。🆒
ディオンヌ・モンサントさん演じるホステスの大阪弁も良かったです。
彼女も美人だと思います。
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でも先述した通り、「性描写がひどい」と嫌悪感を感じる人もいると思います。
(観客として観ていて)特にある時点から、主人公が坂道を転げ落ちるようにどんどん彼に感情移入できなくなっていくんですが、そこで今作を嫌いになる人は沢山いると思います。😫
【気持ち悪い&マイナス点】
・母親が息子の部屋を掃除する描写。😩
・母親とアイリーンと、言葉が通じない上での笑いながらの会話のシーンにゾッとします。🤗
・あいこさんが、アイリーンに口紅を塗ってあげた後、その口紅を捨てる行為と彼女の表情。💄
本当に感覚的なことなんですけど、気持ちが悪いんです。あの人自身には悪気は無いんですが、なぜか観ていて嫌になります。
・そもそもあのパチンコ屋の店長やスタッフ全員、リアリティーのないスタッフばっかりです。
・死体がいかにも人形っぽいです。
などなど、はっきり言ってマイナス点というか、嫌いな点はかなり沢山あります。
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【今作で良かった点】
前述の通り、役者さんの演技はよかったです。
ただ何よりラスト約20分のある展開です。
それまでこの映画から心が離れつつあったんですが、この約20分間で胸を撃ち抜かれた気分です。木の幹のあれを見て本当に泣きました。😭
みんな本当に不器用だけど、心の奥底で良心が垣間見えます。
全く作風が違いますが、2018年公開作品で同じくベスト級に大好きな『スリー・ビルボード』と似た余韻が残りました。
・奇妙礼太郎さんの歌う主題歌「水面の輪舞曲」も最高です。iTunesで購入してまた聴きたいです。
・あと吉田恵輔監督の演出で少し好きなところがあります。♨️
2人が対面で真剣に話し合っている間に、第三者がボックスティッシュを渡したり、パンツを履き直したり何かしらの行動をとってるシーンです。
真剣なシーンになるはずなのに、どこかコメディ的になるんです。
『ヒメアノ〜ル』然り、観ていて「ん?」と思わせるところも含めて、演出がうまいと思います。😄
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現時点で、このfilmarksの平均スコアが3.8と結構高いのは、観た人が少ないのもあるでしょうけど、予告編を観てどういう作品かを事前にある程度理解して観た人なら満足する確率は高いでしょう。
3.8っていい数字ですね。♨️
本来、自分の好きな作品の平均スコアが高いと嬉しいですが、今作のそれが4.0以上だと、ちょっと違和感を感じます…。😅
昔、TV番組の「深イィ話」で
「女性は、一緒にいる男性が99%ひどくても1%優しければついていく。でも99%優しくても1%ひどいならついてこない。」
みたいな話を聞いたことがあります。📺
昔はその話に納得いきませんでしたけど、今なら少し分かる気もします。🤔
今作の話の内容自体もそうですけど、自分にとってこの『愛しのアイリーン』という作品がそんな感じです。😅
前述の『スリー・ビルボード』ほど完成度が高いとは思えません。駄目な点もいっぱいあります。でも自分は心底嫌いにはなれません。😢
2018年公開作品で「家族」👨👩👧👦がテーマに関わってくる映画がすごく多かったですね。
そして、まだ自分は『万引き家族』を見ていないので期待してます。🏠