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クリシャのBigsのレビュー・感想・評価

クリシャ(2015年製作の映画)
4.3
グッチーズ・フリースクール×京都みなみ会館共同企画 “ルーキー映画祭 ~新旧監督デビュー特集~”

ジョンウォーターズがその年のベストに本作を挙げていたとのこと。

面白かった!
家族という因果をベースにしたパラノイアなブラックコメディだと思った。
各人の過去や背景は殆ど語られないため、どこまでいっても底知れない不穏さがあるし、自分を当て嵌めることのできる普遍性もあった。
やり過ぎなくらいのブラックなユーモアが面白い。クリシャの指がない(これは何故かわからない)ことを使ったギャグの数々。「Hi five!」とハイタッチしたときに「4.5本だけど」と言ってみたり、七面鳥を詰めるときに指の包帯が中で取れて周りで見てる人が「Oh…」みたいな反応してたり(ココが一番笑った)。
あと、クリシャの暴走がどんどんエスカレートしていく展開も編集のテンポも相まって、病的ですごかったなあ。姉に諭されて落ち着くかなあと思ったら、どんどん自分の中で処理しきれなくなってもう一本ワインを開けちゃう所は笑っちゃったけど、あぁ…となった。
序盤の馬鹿騒ぎする若者たちの姿とのカットバックで少しパニック状態になりつつあるクリシャの内面を表すかのようなパラノイアな描写は凄く良かった。

監督の個人的な思いをぶつけてるらしい映画であり、息子役が監督本人で、姉役が監督の母親、クリシャが監督の叔母だとのこと。
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