けーすけ

ヘレディタリー/継承のけーすけのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.3
2020/11/1(日) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。

グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。残された家族にも不幸な出来事が起き、次第に情緒不安定となっていくエレンの娘・アニー。その原因とは一体・・・








「史上最も恐ろしい」とか 「発狂しそうな恐怖」といった評判の本作、ホラー苦手な僕は超ビビりながら鑑賞してみました。

ゾンビや幽霊ものとはテイストが違い、いきなりのビビらせは無く、ひたすら静かな雰囲気で話むのがちょっと意外でした。日本映画の恐怖表現にも似ており、(一部直接的な描写はあるものの)得体の知れない怖さがジワりとにじり寄って来る表現は秀逸。

とはいえ「めっちゃ怖い」っていう前評判でかなり構えていた為、正直肩透かし感があったのも正直なところ。先に『ミッドサマー』を観ていたこともあって、アリ・アスターの嗜好&思考がなんとなくつかめていたのかもとか考えたりでした。(でも夜に一人で観るのはたぶん無理!笑)



「ヘレディタリー」には副題の“継承”がかかっているように「遺伝的な」「先祖代々の」「世襲の」という意味があり、亡くなった祖母の存在がキーとなり、グラハム一家に禍いが襲い掛かります。序盤から伏線があちこちに張り巡らしてあり、終盤になって「ああ、そういう事だったのか…」となる部分が多々。一例では祖母がしていたネックレスの形状が注目ポイント。

また劇中あちこちに出てくる刻印(紋章?)も効果的に印象付けられており、ところどころで現れるキーワードとともに「一体だれが何のために」といった謎と恐怖感が味わえます。


何を考えているかよくわからない娘とか、反抗期息子、そして家族に起きた出来事で徐々に壊れていく母親、、、アリ・アスターは人間関係の怖さを描写するのが本当にうまいなと感じさせられました。因みに父親がいちばんマトモで不憫。笑


観終わった後に日本公式サイトの解説や考察を読み込むとさらに「なるほど!」と楽しめる映画、コワ面白かったです。


[2020-165]
けーすけ

けーすけ