けーすけ

バズ・ライトイヤーのけーすけのレビュー・感想・評価

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)
3.6
スペース・レンジャーであるバズ・ライトイヤーは1200人の乗組員とともに宇宙探索をしていた。ある日、生命の反応があった惑星に降り立った一行だったが、その星は虫やツタが生息する危険な所であった。すぐに脱出しようと試みたが、バズのミスにより宇宙船は壊れてしまう。しばらくその星に暮らしながら地球への帰還を試みるバズ達であったが・・・








1995年に公開された『トイ・ストーリー』のアンディ少年が大好きだった映画、という設定。どっちもCGアニメだけど映画内の映画で、その主人公の人気に火が付きオモチャになったのが『トイ・ストーリー』のバズってことですね(ややこしい)。

そんなバズを主人公にした新作スピンオフ映画、鑑賞してきました。僕は字幕派なのですが上映の大半が吹き替え。日に1回、かろうじてやっていたIMAX字幕で観られたのはラッキーでした。(バズの声を"キャプテン・アメリカ"のクリス・エヴァンスがやっていたのでどうしても字幕で観たかった)

『トイ・ストーリー』を一切観ていなくても本作のみで楽しめる作りですし、観ている人にはニヤりとできるセルフオマージュ的な演出もあります。



辺境の危険な星に取り残されたバズとその一団。帰還するためには光速での航行が可能なエネルギーを作り出さなければならない。バズはひとりで危険なハイパー航行の実験に挑むがなかなか成功しない…。
バズは『トイ・ストーリー』ではちょっととぼけた部分もありながらも正義感の強いキャラでしたが、本作では想像以上に孤独で孤高な感じに描かれておりました。さらにこのハイパー航行には相対性理論による、いわゆる「ウラシマ効果」が起きてしまい、1回の数分間の航行の間に地上では4年以上もの歳月が流れる事に。(正直、このあたりの設定と流れは幼い子供には難しい気がする。幼くない大人にも難しいですね。笑)


バズは地球に戻れなかった責任を感じひたすらにミッションに挑み続けるが、上述の通りバズ以外の仲間たちだけがどんどんと年をとっていくという、、、
『インターステラー』を想起させるような設定で、彼らの過ごす時間の流れの差がなんとも切ない演出となっておりました。
それでもバズは諦めずミッションに挑戦し続け、ある時に光明が見えたものの、、、といったあたりまでが中盤導入あたりまでのお話。

行く手に突如立ちはだかるザーグという謎の強敵やロボット軍団も登場。そこにバズの助けになる新たな仲間も加わるものの、こっちが心配になってしまうくらいのポンコツっぷり。肝心な場面で大失敗を繰り返すさまに観ている方が心が痛い…。
バズも怒ったりはせず、自分が決めた事だから仕方ないという諦めの境地なのか、死んだような目がなんとも印象的なシーンもありました。

と、色々と困難はあるのですが、バズはその困難を乗り越えていくためには仲間を信頼してともに行動していく事が必要だと気が付くんですよね。ドタバタでハチャメチャな展開なのですがそういったあたりのメッセージ性は強く出ていたように思います。
ただ仲間のキャラクターがあまり印象に残らず、ちょっとモブっぽくなってしまっていた感は否めないかもです。なんならバズをサポートする猫型ロボットのソックスというキャラが一番輝いてました。ゆえに「何故ソックスが『トイ・ストーリー』に出てこなかったんだ…!」という矛盾も感じたり。笑


3DCGでのキャラや物の質感はさすがのピクサーで、究極まで高められていると思います。劇中出てきた「肉・パン・肉」の逆サンドイッチがめちゃめちゃ美味しそうでした。あれ食べてみたいなー(ジュルリ…)


そして「これはMARVELか?」という感じでミッドクレジトシーン、さらには一番最後のピクサーのロゴタイトルあとにポストクレジットシーンがあります。なので最後の最後まで席を立たずに~。



2022/07/05(火) 109シネマズ二子玉川 シアター7 18:20回にて鑑賞。IMAX 字幕 I-16
[2022-014]
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