イライライジャ

パッドマン 5億人の女性を救った男のイライライジャのレビュー・感想・評価

4.3
生理用品は高価なもので使えず汚い布切れを使い見えないようにサリーの下に干し、生理中は家に入れてもらえない女性たち。なんとこれが2000年代に入ってからの話で、インドでは生理は穢らわしく恥ずかしいものとして男女共々タブーの話題とされている。
そんな世間や妻の病気感染の心配をし、パッドを使ってほしいけどどうにか安価にならないものかと試行錯誤する主人公ラクシュミ。パッドや生理を恥ずかしいものと思わないラクシュミは周囲から異常者や変態と噂され、家族や妻、そして村からも追い出されてしまう。

この時点でインドでは如何に生理が恥ずかしいものかわかるが、はっきり言って周囲が異常でラクシュミの感覚が正常。ただ正直日本でも生理を理解してない男が半数占めていてウンザリなので、インドとそんなに変わらないと思う。(そもそも“生理を理解”することを理解していない奴らばかり)

ラクシュミは金儲けには興味がなく本当にただただパッドをたくさんの人が使って清潔に健康に生理を気にせず生きてほしいという願いがあり、その想いと努力が世界に知れ渡る。
途中で出会うパリーは良い意味でインド人ぽくなく、彼女なしでは成功出来なかったかもしれない。他の人のレビュー観てるとパリーとくっつかずに妻の元へ帰るのが気にくわないみたいだけど、インド人は保守的なのでそういう展開好まないし、ラクシュミ自身が保守的な男性なのでパリーとしても自分を選ばないラクシュミを好きになったんだろうなと思う。
村人の手のひら返しが腹立つという意見も多いけど、それはインド人の性格なので日本と感覚が違うだけでご都合主義な展開に誇張しているわけでもない。(私が関わってきたインド人も全員そんな感じ。正直インド人のこういう性格は本当にめんどくさいけど)

生理用品を通じてインドの生理事情や女性蔑視を知れた素晴らしい映画だった。アクシャイクマールはコメディや犯罪ドラマ、アクションもダンスも含めなんでもこなす超人気俳優なのに日本でシャールク、アーミル、サルマンのように知名度高くならないのが不思議。日本人から見てあまり印象に残らない顔なのだろうか。
ソーナムカープルは相変わらず美人で、画面上で1人だけレベル違いすぎて驚いた。