いやいやいや、これはもう全くの別物じゃん!
男を翻弄する悪女のストーリーではなくなっている、、エヴァがただの良い人。
1962年版と違って、主人公が盗作作家だと初めから明かすことにより、ミステリー的サスペンス的雰囲気が皆無になっているし、とにかく全てが説明的。
エヴァの娼婦としての仕事の場面も描き過ぎで、全てをわかりやすく説明してしまっているが故のつまらなさ。
エヴァとベルトランの関係が完全に娼婦と客でしかなくて、男と女のぶつかり合いではなくなっている。
ベルトランは次回作のネタとしてエヴァに興味を持つだけだし、ただの好奇心と傲慢なプライドでエヴァを振り向かせたいだけだろ。
二人の間の執着や依存を描きたかったのだとしたら、イザベルユペールでは無理。
完全にミスキャスト。
華奢な身体に色気は感じられず、高い声色には主導権や重みがなく、というか年齢的に大分無理がある。
そして、ベルトランがとにかく人生舐めすぎ。
エヴァに対する態度はコンプレックスからの不安や怯えによるもの、というジャンヌモロー版と異なり、娼婦をモノとして扱う男の侮蔑的態度によるものでしかない。
仕事に対しても、才能がないのに何故か強気だしなんなんだこいつ、、。
ただ地位や財産が欲しいだけのしょうもない男だ。
それに対し、エヴァには理由があって娼婦をしてるという描き方も嫌だな。
夫のために身体を張る健気な妻なのよ。
これは仕事だからのめり込まないでと諭してくるのよ。
悪女じゃないじゃん。