佐藤浩市を「三流役者」とする例の炎上事件がなければ見に行かなかったかも。
で、映画の内容はというと…危険なにおいがしないでもない。
東シナ海に新興した東亜連邦。領土拡張を目論み、他国を脅かす。やがて日本の領土・初島に侵攻し、占領を果たす。日本は第五護衛艦隊を派遣。艦隊の中心となるのは「専守防衛」の観点から建艦が問題視されていた空母・いぶき。東亜連邦はこの艦隊にも攻撃をしかけてきて、日本にとって戦後最初の戦死者が生まれる。内閣総理大臣・垂水は悩みながらも、これまた初めての「防衛出動」を発動する…といった話。
佐藤浩市が演じた垂水はそう大きな役どころではなかった。重要なのは西島秀俊が演じたいぶき艦長・秋津一佐と、佐々木蔵之介が演じた副艦長・新波二佐。二佐が自衛官に死者が出ることを危惧するのに対し、一佐は国民に死者が出ることを危惧し、先んじての攻撃を主張する。少しニヤつきながら「我々か越えなければならないハードル」という。
（以下ネタバレあり）
このあたりの自衛官内での葛藤が防衛最前線のリアリティを生むのかと思ったら、実は両者とも真面目で正義を重んじる素晴らしい人物という描かれ方。結局エンターテイメントから落ち着くところは美談っていうお決まりパターン。あくまでも仮想世界の話ということでメッセージなんて探すもんじゃないということか。
もしメッセージを含んでいるということなら…世の中はクリスマスで庶民を「平和ボケ」のように描いている設定がどうも…。平和ボケに対する問題提議のようにもみえるが、僕なんかずっと平和ボケでいたいとも思うけど。
