まとぅん

ライトハウスのまとぅんのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.1
【カモメ〜が死んだ〜♪】
スリラー&ホラー祭り第6弾。
まさにこの企画に打って付けの今作。

○A24スタジオ×ロバート・パティンソン×ウィレム・デフォー
全部大好き。
だけど、A24ホラーは『ミッドサマー』『ヘレディタリー』と異様な作品ばかり。不吉な予感...


ー1890年代、ニューイングランドの孤島。4週間にわたり灯台と島の管理をおこなうため、2人の灯台守が島にやってきた。ベテランのトーマス・ウェイクと未経験の若者イーフレイム・ウィンズローは、初日からそりが合わずに衝突を繰り返す。険悪な雰囲気の中、島を襲った嵐により、2人は島に閉じ込められてしまう...



○今作は画角が正方形に近く、終始モノクロで窮屈な世界観を鑑賞する側も味わえる。
時折鳴っているブォーーっていう霧笛の音が心臓にゾクゾク響いてくるのも心地悪い。
海鳥をメッチャクチャにしちゃうの...木っ端微塵ならぬ、鳥っ羽(とっぱ)微塵🫣
不快感しかない。ストレス溜まる。

○マジで意味がわからん。ほぼ2人しか出てこない中での狂っていく演技は圧巻。
閉塞した島に取り残され、精神的に追い詰められた中での罵倒合戦。
時には飲酒をして、仲良く踊り、秘密を打ち明け合い、体を寄せ合う。

○「灯」争奪戦。
恍惚とした灯に性的欲求をぶち撒ける。
ウェイクは灯台を自身の男性器と見立て、女性器とする光を独占。
ウィンズローはそこに憧れを抱くも、ウェイクから古風の女性的な扱いを受ける。男性としての威厳を保つために幻覚(?)の人魚に性を解放。


ウィンズローは過去から逃れたいがために島に来たと思うが、あらゆる要素で制限された世界に「逃れられない過去」が付き纏い、どんどん人格が崩壊。
お互い何が現実なのか、徐々に曖昧に。
海鳥殺しの禁忌を破ったからなのか、飲酒を解禁したのがきっかけか、島に来る前からウィンズローはイカれていたのか。そして、そもそもウェイクは存在していたのか🤷‍♂️

すごく頭が痛くなる一本。
話した過去や島で起こった出来事の真実は明らかではなく、観ている側を困惑させてきた。
調べてみると、監督は色んな解釈を取れるように敢えて真実を伏せ、観客を混乱させるのが目的の一つであったそうだ。
見事に術中にハマったのである😫
まとぅん

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