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教誨師のskm818のレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
4.0
大杉漣演じる教誨師が2時間弱の間ほぼずっと死刑囚達と向き合って話をしている映画。途中主人公の兄の話や幽霊などが出てきたりはするが、基本は数名の死刑囚達が入れ替わり立ち替わり出てきて、何だかんだ言ったり言わなかったりする。キャラクターはいろいろで、これ確実にモデルいるよな的な人もいれば、ごくフツーの市井の人が気がついたら殺してしまってて言われるままに罪を認めて云々だとかヤクザだとかさ… 烏丸せつこ演じる野口のおばちゃん、なんか妄想見えてんだろうな。ホームレスの正一さん、色々考えてたんだろうな。鈴木さんはストーカー殺人の人だよね。いやあんた悟る方向が違う… ちゃんと反省する、罪に向き合うというのは難しいものなのだろう。でも死刑囚達は月日の流れの中で変化していき、主人公も彼らと話をすることで少しずつ変わっていくんだよね。ちょっと哲学的なところもあって説明しにくいんだけど、けっこう泣けた。さすがに野口のおばちゃんや鈴木さんでは泣けないんだけどさあ。正一さんとか高宮さんとか。あと主人公の子どもの頃のエピソードとか(この辺なんだか中上健次の小説の世界みたいだった)。月並みな感想になるが、人というのは奥深いものなのだろう。
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