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止められるか、俺たちをのmuraのレビュー・感想・評価

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)
3.8
湯布院映画祭のクロージング作品。監督の白石和彌、出演の井浦新、山本浩司、また登場人物でもある荒井晴彦をゲストに迎えて。

冒頭に「若松プロダクション作品」と表示される。テンションがあがる。続いて『女学生ゲリラ』『処女ゲバゲバ』の撮影現場。引き込まれる。

井浦新が若松孝二を、山本浩司が足立正生を演じ、沖島勲や荒井晴彦、さらに大島渚まで登場させ、1969年から1970年にかけての若松プロの再現を試みる。そのなかで主役にすえるのは、助監督をつとめ、突然に死んでしまう吉積めぐみ。再現は彼女の視点から。

晩年のすべての作品に出演したアラタが若松孝二を真似て演じる。ここぞとばかりのリスペクトを見せて。若松プロで映画づくりを学んだ白石和彌が諸先輩方を批判を恐れずに(笑)描く。

伝説的な映画人たちが築きあげた伝説的な時代を目の当たりにできるのは確かに幸せなことだけど…だから何?という思いも同時に起こる。いや、めぐみを主役にしたのならもっとめぐみの気持ちに寄り添いたかったなと。
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