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映画 ホタルノヒカリののらのレビュー・感想・評価

映画 ホタルノヒカリ(2012年製作の映画)
1.5
本作の位置付けとしては、テレビシリーズのセカンドシーズンの後日談に当たる。めでたく結婚した二人が新婚旅行でローマに行くという内容だが、ギャグを詰め込んだため話のテンポも悪く、そのギャグもすべてつまらないため苦痛でしかない。

そもそも綾瀬はるかのコメディエンヌとしての才能を考えれば、普通に干物女というキャラクターを演じているだけで面白くキュートな存在にもかかわらず、ギャグを入れすぎたせいで、綾瀬はるかが本来持っている魅力そのものを削いでしまっている。

ストーリー的にも新婚旅行の定番とも言える、勘違いものになりすましコメディと要素を盛り込み過ぎな上に、そのすべてのエピソードがシラケる内容だ。

白い粉のエピソードなども唖然とさせらるレベルの落ちだし、莉央が思い出を失うという極めて悲劇的な場面までもギャグとして処理するという無神経さで、見ていて嫌な気持ちにしかならない。

特に松雪泰子演じる冴木莉央というキャラクターは人生に絶望して干物女化してしまったキャラクターだ。つまりダークサイドに落ちた蛍という魅力的なキャラクターに出来るはずだが、キャラクターの造形を悲劇性にだけ求めてしまい全く活かしきれていない。冴木莉央は魅力的な存在になるはずのキャラクターだったし、綾瀬はるかの魅力をより引き出す存在に出来たはずだ。

映画として以前にコメディとして出来損ないだし、シリーズの集大成となるはずの結婚式と妊娠というビッグイベントもぞんざいな扱いで、イタリアに行ったついでに撮影をしてきただけの映画になってしまっている。あと誘拐の件はどうなったのだろうか…。
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