しゅん

若おかみは小学生!のしゅんのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
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うーん、後半泣きはしたし楽しまなかったわけでもないけど、個人的には何が評価されているのかわからなかった。話として上手く回収できているわけでもないし(幽霊達が成仏することの説明不足とか、最後の客の設定の無理加減とか)、演出や作画にチャレンジングなところがあったとも思えない。サブエピソードの積み重ねのオムニバス形式は共通してるのに、『未来のミライ』が酷評されて本作が絶賛されてるとしたら細田守(と製作陣)が気の毒になる。『未来のミライ』は主人公のわがまま具合(とそれに対するツッコミ不在)がイメージダウンの一因だと思うけど、むしろあれは本来は自分勝手で身勝手な子供のリアリティに挑戦してる果敢な失敗作とも言えるわけで。両親を失くした女の子が強引に役割と責任を負わされて、それを文句言わずに全部こなすことが好感度に繋がってるとしたらとても虚しくなってしまうな。特に子供が客寄せパンダになる宣伝効果の下りに何の留保もつけないのは最悪(そもそも5部屋しかない小さい旅館じゃなかったのかよ)。
おそらく物語設定の不可解さは子供向け映画の時間制限上削らざるを得なかったりするだろうし、そこを素人が責めても仕方ないとは思う。だけど、成長して社会に出て文化にもたくさん触れてる人でも絶賛してたりするのが僕には正直わからなかった。

ライバルの女の子がカッコつけて読んでるのが『ホモデウス』の原書だったのはちょっと良かった。
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