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ビリーブ 未来への大逆転のNMのレビュー・感想・評価

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
3.3
女性が苦労する話なんだろうというところまでは想像できたが、それだけの話ではない。
女性が差別されてはいるが、裏を返すと男性だって差別されていることに気付かされ、平等というのがいかに複雑か思い知らされる。女性に男性の仕事はできないとされ、男性に家事はできないとされている社会。古代からの歴史でありそれが自然な形なのだと。

反論するときにみな、じゃあ黒人差別はどうですか、女性も肉体労働させるべきですか、と論旨をずらしてくる。そこに乗らないことが重要らしい。
大学で、取ってない授業に参加できたりレポートの代筆が許されているのはゆるくて唯一良い点だと思った(どうせ挫折すると思われてスルーされただけかも)。
アーミー・ハマーがこういうエリートホワイトカラーの役をやるのを初めて観たが何も問題なく、何でもできる俳優だと思った。倒れそうもないところがリアルだし、復帰して仕事に邁進するのも彼なら自然。

実話がベース。

あらすじ
ヒロインは猛勉強してハーバードに入学。学年で女性は数人のみ。しかも幼い子どももいる。
夫は同学2年生。ともに法学を学び、子育ても協力し合う理想的な夫婦。

入学してみると女性の扱いは良いとは言えなかった。男性の席を奪ってまで入学してきたと学長自ら発言。女性の入学は認めつつも実際は見下している。
それに学内に女性トイレもない。

強力なパートナーである夫にがんが判明し大ピンチ。子供は幼い、自分はまだ学生、この先どうなるか一時は呆然とした。

ヒロインは夫の分まで講義を受け、家で療養中の夫のレポートをタイピングした。
その甲斐あって症状は安定。次男も生まれた。

ヒロインも夫と同じく法律事務所の就職を目指したがどうしても受からない。成績は文句なしなので女性という理由が大きいだろう。生活のため、教職として法学生を育成する道へ。
いくら才能と努力があってもそれを閉ざされてしまうのは社会的要因も大きかった。

ある訴訟を耳にした。
結婚歴のない男性が老いた母の介護を一人でしている。男性だって若くない。しかし助成金は降りない。それは女性のために作られた制度なのだ。

これは男性差別。
ヒロインは会いに行き、訴訟するべきだと無償で引き受けた。
この違法性が認められれば、今までの多くの女性差別的法案も見直される。

ヒロインは頭が切れるが、今回ばかりは今までの思いが全部詰まった案件でありどうしても勝ちたい。
しかし彼女は初めての裁判。
相手は強豪、有力者に手も回しまくっている。
夫はいつでも冷静で切り口も多彩、どうすれば有利になるか計算しながら言葉がすらすらでてくる。
彼女はそこまでではない。現役弁護士に比べれば当たり前。
もし負ければまた男女平等の道は数十年遠のいてしまう。

夫は妻の能力をいつでも完全に信頼し何でも任せる。命を救ってくれた人でもあり、ソウルメイト。
ママは冷たいと反抗的だった娘も段々彼女を知り応援してくれるようになった。

ヒロインは指摘される。
自分のために裁判をしていないか?自分の夢を果たすためにこの訴訟を利用しているのではないかと。
思わずハッとするヒロイン。思い直し改めて訴訟準備に奔走する。

当日。訴訟の行方は。
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