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エール!のNMのネタバレレビュー・内容・結末

エール!(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

明るくて平和で楽しい。自然も家も美しい。
歌はたくさん出てくるがミュージカルでもなく音楽映画にカテゴライズするのも難しい。
家族と、障害に関わる諸問題と、自分の道の選択についての物語のほうがメイン。といっても作品自体は重すぎず暗くもない。
こんな事情で家族のために自分の道を諦めようとする人はたくさんいるのだろうと感じた。家族はそれに気づかない、反対する、気づかないふりをする、そんなケースもきっと多い。

エンディングロールも必見。

一家のママがとてもチャーミング。
牛の名前が白夜からオバマになる流れが好き。
途中ちょっとエッチなハプニングがいくつかはさまれたが本題に関係なさそうだし個人的にあれは別に要らないと思う。もしくは英語圏では愉快なエピソードという扱いになるのだろうか。


あらすじ
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農業と酪農を営む仲良し四人家族。全員明るく率直な性格。時々無神経なときはあって、多感な時期のポーラは困らせられる。
家族のうち声を出せるのは娘ポーラだけで、両親と弟は聴覚が不自由(かなり大きな音量なら聞こえる様子)。家の仕事の連絡やテレビニュースなどはよくポーラが手話で通訳をする。

この村の村長は次の任期にも立候補しているが、森を壊し商業施設にする計画をしていることが分かった。
正義感の強い父親は一念発起、自ら立候補することに。
選挙活動にはもちろんポーラのサポートが欠かせない。

ポーラは学校でコーラスをやることに。
気が乗らないまま始めてみたが、すぐに先生に才能を見出された。
練習するうちに楽しさを知っていく。

同じく才能を見出されているかっこいい男子ガブリエルと二人で組んでオペラ合唱団の試験を受けるよう言われる。
翌日からは先生の家で毎日個人特訓。
だがポーラはガブリエルは裏で恥ずかしい噂を広めたと思い喧嘩に。彼はコーラスをやめてしまった。

家族は最近ポーラの帰りが遅いのをあのガブリエルとデートにかまけていると思いこんでいる。
だがポーラは特訓に行きたいだけ。
そこでついに家族に練習のことを告白。受かったらパリに行くことも。

家族はまだ子どもだと反対。家の中も農場の手伝いも選挙の手伝いもポーラがいないと立ち行かない。
父親は聞く耳を持たない。ポーラがパリに行けば一家の生活はかなり不便になる。
それに母は寂しくてしょうがない。産む時は自分たちに子供が育てられるか心配だったが、一緒に私たちと同じろうあ者だと思って育てようと父と話しあった、なのに今パリへ行こうとしていると。

ポーラは悲しむ両親を見て特訓をやめてしまう。

コーラスの発表会。
ガブリエルも参加したし、家族も観に来た。コーラスが終わると拍手喝采。
次はポーラとガブリエルのデュオ。愛の歌を歌い上げる。
家族には内容はよく分からないものの、会場は大盛りあがり。
先生がやって来て、今からでもテストを受けに行くべきと両親に言ったが、ポーラは家族に訳さなかった。それを見ている父。

家に帰り、父は一人で庭にいたポーラが歌うところを初めてまじまじと見た。
その夜父は起き出し、家族をたたき起こして会場まで車を飛ばした。
メールをもらったガブリエルも、先生の家を訪ね二人で現場に駆けつける。

先生の伴奏で歌い出したポーラは、家族のために歌に手話を交えた。
「僕は行くよ 逃げるんじゃない 飛び立つんだ」

後日パリ行きが決まる。
みな泣きながら微笑んで送り出し、ポーラは駆け出していった。
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