【生き抜くということ】
ジュディー・ガーランドの最晩年に焦点を当てた作品です。
彼女は、若い頃からの心身の酷使によって40代後半にして既に廃人の一歩手前。この物語の半年後に亡くなっています。
確かに欲と権力そしてお金に翻弄され続けた人生だったのでしょうが、彼女はスターとしての人生を全うした。
色々な価値観のがあるので一概には言えませんが、それはそれで一つの人生。これも有りなのかなと。
彼女はもしかしたら子供たちと平穏に暮らしたかったのかもしれません。
しかし、人生とは何かを選ぶと同時に何かを捨てていく意思決定の連続であるとするならば、彼女は自らの選択に殉じたということなのでしょう。
人生とその価値ということについて考えさせられました。
とは言いつつも、ストーリー的には平凡で、特に語るべき点はありません。
ただ、レネー・セルウィガーの演技が、本当に血が通っているというか、鬼気迫るものがあり、表現力とは何か、ということを突きつけられたかのようでした。
また、タイトルにもなっている「虹の彼方」すなわち「OVER THE RAINBOW」もよい場面で使われています。
この曲、英語の歌詞も日本語訳の歌詞も素晴らしいですよね。
レネーの歌唱も見事です。
また、LGBT にも触れられていますが、もう既に、お約束の世相なのかなぁ。