yukihiro084

ブラック・クランズマンのyukihiro084のレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.0
サミュエル・L・ジャクソンが
インタビューで、黒人はみんな、
ブルース・リーが大好きで、
部屋にはブルース・リーの
ポスターが貼ってあった。と
言っていたのを思い出した。

アチョー!

いいね。ジョン・デヴィッド・ワシントン。
父親に次いで、スパイク・リー作品。
劇中、彼と彼のチームだけが、まともだ。
主人公のロンは、白人が言う黒人に対して
の侮蔑な表現にも、黒人が言う警察官に
対しての侮蔑な表現にも、ちゃんと
文句を言う。観ているこっちは、
劇中の黒人も白人もどっちもどっちだな、
と、スパイク・リーは観る側に
思わせてくれる。スパイクは
薄っぺらい奴は、人種関係なく、
バカにしているフシがある。
それは、スパイク・リーだから、
スパイク・リーの視点だから、
許される作法なのかもしれない。

プロデューサーに(ゲット・アウト)の
ジョーダン・ピール。
スパイク・リー×ジョーダン・ピール。
それだけで『おぉ』となる。
面白いことが起こりそうだな、と、
期待してしまう。
若いカップルがデート中に話す、
映画の作品の数々が、暗号や隠喩の
ようにも聞こえるし、よくいる
ただのカップルの会話にも聞こえる。

ユダヤ人の母を持つ、今で言う
中東に生まれたイエスは、何故か、
白人のような顔をしている。
どう考えたって、そんな顔立ちには
ならないと思うけど、目鼻立ちが
ハッキリとした、いい男で、
細身で肌は白く、時には金髪の
キリストさえいる。
劇中『アメリカン・ファースト』と
言葉にする男が出てくる。
誰かみたいだ。本当は
『白人ファースト』と言いたかった
誰かみたいだ。

キレッキレのジョンに対して、どこか
マイペースのアダム・ドライバーとの
コンビもキャラクターのコントラストが
あっていい。フィリップは、
最初は乗り気じゃなかったのに、
後半になると、誰よりも熱いのがいい。

差別は、世界中にある。
たぶん差別はなくならない。
白人至上主義は年季が違う。
根深さが違う。
だから、他の国を平気で侵略できる。
昔、イギリスでアングロ・サクソン人が
ケルト人を、世界の隅に追いやったよう
に。ちょっと前までワイドショーで
見かけた中国の頭が抜けなくなった
子供のニュースも、北朝鮮の変な習慣や
文化や踊りも、あれだって差別だ。
別にそんなのを放送しなくたっていい。
どう考えたってバカにしている。

昔、黒人俳優は、コメディ担当だった。
主役の横で(笑われる役目)だった。
もしくは(白人が作る理想の黒人像)役
が多かった。デンゼル・ワシントンは、
そんな黒人のイメージを初めて
打ち破った俳優だった。
今作で、その俳優の息子が主演を
張っている。(笑われない俳優)の
息子は、さらに進化して、
劇中、誰よりも賢く、カッコいい。
痛快じゃないか!もう、それだけで、
胸熱なんだよなぁ。観たかったやつ。

やっと観た。良かったよ、スパイク。
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